第35話 奴隷と仲間

「さてと、俺の質問に答えてくれるかな?」


俺がそう言うと、ゴルドは俺を見つめる。


「……死んだ時に俺がここに落として行った、俺にとっては大切なものをとりに来ただけだ。今日……ここにきたのはそれを捨てられたくなかった。そしてこの姿は転生者の能力俺の固有能力で、完全に他人に変身できる。体臭さえも変化するから、だから正体がばれるとは思っていなかった。この騒ぎに紛れてごまかせれると思ってここに近づいた……あとお前に危害を加えるつもりはもうなかった。俺は今回の誘拐にしても関係してない。あと盗賊まがいをしたのは自分の意思ではなかった。それはだけは信じてくれ」


ゴルドはそう力なく答えて言った。

奴隷の首輪の力は絶対なはずだ。自分の死すら命令に従う。


「もう父さん離していいよ」


「わかった」


クラークが立ち上がり俺の隣に立つ。


「………俺をどうするつもりだ。全て質問に答えたから、最後はお前の死の魔法で殺すのか?」


ゴルドは手錠と足枷をつけた状態なのに、器用に一瞬で立ち上がる。

俺の魔法死の魔法の意味を知っているなら間違いない、こいつはゴルドだ。

もう目が完全に死んでいる。いやすでに俺に殺されることを、望んでいるようにも見えた。


「……いろいろと俺の知らないことを教えて欲しい、殺すことはないよ」


「わかった。何なりと言ってくれ」


ゴルドはこれで、もう逆らうことがない。





「てかお父さんってすごい!よくわかったね」


ここまで完全に姿も声も体臭も違うし、それも姿が女性なのによく気づいた。

今日クラークがすごいと思ったのは、これで何度目だろう。


「まあな、こいつのこの姿は俺の知り合い……というか昔の女だ。俺に気づかなかった時点で怪しすぎた……それよりもこの姿の女はもうこの世にはいない」


「えっ!それは本当か!」


ゴルドが驚く。


「しらなかったのか?12年前に盗賊に捕まり、嬲り殺された。顔すら判別できないぐらいにボロボロにされてな……勿論その盗賊たちは俺が皆殺しにしたが、マドカはもう死んでいる。お前が他の姿をしていたら俺も気づくことはなかったよ」


「まさか……マドカがそんな死に方なんて……ちくしょう……くそっ盗賊の野郎どもども!……もう一度会いたいと思っていたのに」


ゴルドは涙を流す。


そうだったのか……クラークにそんな過去があるんだ。まさかゴルドもクラークが、知っている姿とは思っていなかったのだろう

だがしかし、そのおかげで助かった。普通ならまず気づかないよ。



「じゃあ奥に来て詳しく話を聞こう」


俺はみんなを、一番奥の部屋に連れてくる。

部屋に入ると土魔法を使い、椅子とテーブルを人数分作ってみんなを座らせる。


「いやー親分、すごーいねーこの土魔法でのー作成技術はー尊敬しちゃーう」


「親分はやめて!そう言えばエルフならもっとすごいのできそうなのに」


俺よりも莫大な魔力と知恵を持っているのに、俺よりも出来ないわけがない。


「エルフはー基本土魔法でのー物質作成はしないよーこんなちまちまとした細かい計算がー嫌だからねー、土魔法で使ってーも単純な攻撃魔法までだよー!まあそれだけーあれば苦労しないしねー、そんな馬鹿みたいなー細かい作業はー計算好きのードワーフにでもやらしたらいいよー」


なにこの世界ドワーフもいるのか!イメージ通りなのか?それとも?……今までの獣人とエルフの微妙な感じなのか?そこがラノベ好きの俺をドキドキとさせる。





「さてと、ここからは秘密の会議をしますか!」


俺は計算をし終えた魔法を発動させる。風魔法を部屋全体にかけて遮音をして、外部に聞こえないようにする。そしてコップと水差しを作り中を水で満たす。


「すごーい親分!魔法触媒がなくーてもできるのー?」


アーロンが驚く。


「まあね、現存する精霊数が全くいないとかでなかったら0できるよ。ちょっと計算が複雑になるけどね」


「さすがに魔法特化型の転生者だな……呪文を唱えてはしないのか?」


ゴルドが感心したようにいう。

姿が女の子なのに声がやや低い、言葉遣いも男だから違和感を感じるわ。


「もうこれで慣れたしな、魔力の消費も押さえれるからね」


もうゴルドの顔はさっぱりして、死んだ表情ではなくなっていた。奴隷になったショックは消えたみたいだな。


「えっ?転生者って?」


「あっ」


忘れていた、アーロンは知らなかったってこと。


簡単にアーロンに説明をする。



「そうなのかーそうー言えば聞いたことあーる。不思議な言語を喋ったりー、特殊な魔法とかーを持っている人とかねーまさかーねー、うん、本当にいるとかー信じられないねー」


アーロンがうんうんと頷く。


「数多くはいないが、俺もマリガ以外の転生者には、何人かはあったことある。ただ……ごっご主人様ほどの知識ある者はいなかった」


「ご主人様?」


「仕方ないだろう、すっすでに俺のごっご主人様なんだからな……もう俺はご主人様にこの身と心の全てが従うしかなくなった。……俺を好きにしていいぞ」


ご主人様って……!これはヤバイぞ。

今の見た目は可愛い女の子だけど、中身はクラークと同じくらいのオッサンだぞ。

まさか異世界での初奴隷が、ごついオッサンとは思ってなかった。

………でも……可愛い女の子がもじもじしながらの「ご主人様」は……ドキドキしちゃう。

……てか、ドキドキするぐらいかなり可愛いぞ!




「そういえば変身は簡単に解けないの?」


さっき魔力遮断の呪紋でも、変身は解けてなかった。


「一度変身すると解くためには新たに変身するしかない、後は俺が死なない限り解けない」


ゴルドが可愛い女の子の顔で俺を見つめながら言う。なんか恥ずかしい。


「そう言えばなんで死んで蘇る?」


クラークが聞く。そう言えばそうだ。


「………」


ゴルドが答えない。まさか?


「どうして蘇る」


と俺が聞き直す。


「これは俺の『ゲーム特性』によるものだ。コンティニュー能力と言うもので、死んでも復活の間にセーブポイント転送されてから、身体が復元されて生き返る。ただしリスクもあって、持っていたアイテム持ち物は全て無くすし、回数には限りもある。その上死ぬと身体と魂が再構築されるが、その際に魂を引き裂くから耐え難いとてつもない痛みを伴い、レベルが少し下がり弱くなる」


そうか死ぬのには回数制限があるのか……。


「なんで俺を無視する!ムカつく」


クラークが怒っているが仕方がない。本来は俺らには言いたくなかったことだろう。

だから俺の言う事奴隷の首輪の力しか、聞かないみたいだな。



「そういえばマリガは?同じ能力なの?」


「奴も無事だ、生きている。奴にはコンティニュー能力は持っていないが、俺が作った勇者の魂というアイテムを持っていれば、俺が死の苦痛を身代りをすることで、同じようにコンティニュー能力が使える。ただ奴マリガとは別れたからパーティーから外したもうコンティニュー能力は使えない……ご主人様、この手錠を外してくれ……もう逃げたりは出来ない」


確かにもう逃げれないだろう。俺は手錠を外す。


「ラークいいのか?」


「うん、もう逆らわないよ。それとお父さんもいるしね、安心している」


「そうか?!まあ俺が付いているからな……やっぱりラークには俺が……」


クラークがくねくねとして、もの凄く気持ち悪く身悶えしている。……ちょっとデレを与え過ぎたな、うーん……シールのようには上手く出来ないなあ。



「我が魂を分け与え、魂が形になって姿を現せ」


ゴルドが空中を操作してから呪文を唱えると、ゴルドの胸から光り輝くものが出てきて、目の前で一瞬激しく光ったと思ったら、黒い色の宝石が空中から出てきた。


「ご主人様、この勇者の魂を常に持っていろ、そして俺がいる限りは死ぬことはない」


「あっ」


俺はゴルドが差し出すものを受け取ると、何か身体全体を調べられたような感覚が走る。


「大丈夫か、ラーク」


クラークが心配そうに言う。


「うん大丈夫」


「マリガはまだご主人様を狙っている、用心した方がいい」


「わかった。他には能力はあるの?」


「後は…………」


ゴルドは自分の能力を全て教えてくれた。

正直言って、かなりうらやましい能力ばかりだった。

でもこの能力があれば、俺にとって不安だった部分も無くなり、計画は全て上手くいくはずだ。





ただ……。


「その変身能力ってそれしか無理なの?」


俺はゴルドに聞く。


「うん、相手とセックスするしか、その姿をコピーできない」


となると……。


「えーそうするとこいつと俺は穴兄弟?なんかやだよ」


「うるせー俺も嫌だよ、あの悪名高いクラークと一緒だなんて!」


「誰が悪名高いだ!殺すぞてめー!」


「おー殺せれるもんなら殺してみろ!この淫乱オークラーク!」


「あってめーそれは絶対に言ってはならん事を!それとラークの前でなんてことを!今すぐ殺す!絶対に殺す!」


なんか二人が立ち上がって掴み合いの喧嘩している。


「待て!二人とも」


クラークとゴルドがピタッと動きを止める。


「お座り」


立ち上がった二人は、睨みながら自分の椅子に座る。


「「おー」」


ポポとアーロンが拍手をするが……見せもんじゃないぞ!

猿回しをしている気分だ。







「………と言う計画で、とりあえずは明日はグレールに戻ろう」


そう言ってあの女性陣の猛攻撃リリスたちのアタックを思い出して少し憂鬱になる。


「はーい楽しみー」


アーロンは、のんきな声を上げる。


「はあああぁぁ」


ポポはかなり重要で大変役なのでプレッシャーなのだろう


「わかった……あーマルトにまだ帰れないのか」


やっばいな……そろそろシール不足でクラークの集中力が切れそう……シールを連れてきたらよかったかも知れない。



「ご主人様、ひとつお願いがある」


「なに?」


「俺の持ち物アイテムを返してほしい。俺はアイテムボックス持ち異次元収納だし必要なものは自由に使って欲しい。ただ……返して欲しいものがある」


「いいよ!仲間になったからね」


「仲間……」


「いやかな仲間扱い?奴隷の首輪をつけたけど奴隷扱いはしないよ。まあよろしく」


俺は手を出して握手を求める。


「いいのか?俺は元は敵だぞ!」


「奴隷の首輪の力で、今は無理矢理従わせているけど、仲間と思うのは駄目かな?」


まあ奴隷の首輪をしてまで、裏切られることないだろうけど、でも人を奴隷として扱うのはいやだ。

脳内に奴隷ギルドの状態がフラッシュバックする。


「……わかったこれからよろしく、ご主人様」


ゴルドは俺と握手をした。


「よろしく、ゴルド」




そして、奥の部屋に隠していた、ゴルドが死んだ後にばら撒いて行った持ち物アイテムを全て返す。


「あった!よかった」


ゴルドはそう言うと、一つの首飾りを大事そうに握りしめてから、アイテムボックスの中にしまった。

どうしてそれが大切なのかと、聞こうとは思ったのだが、俺が聞いたら奴隷の首輪の力で、無理矢理に喋らすような気がして、なんとなくそれは駄目な事だと思って聞くのを止めた。










「どう?気持ちいいか」


男は腰を動かす。


「ああんすごいっああん気持ちいいっ」


すると喘ぎ声を上げる。

俺が洞窟を出ると出入口近くでセックスをしている鷹の翼の奴らがいた。


「ガイルっ!最高お前が一番だ」

「トッド好き!もっと」


二人の男が抱き合っていた。それも完全につながっていた。

キツイ………。


ごつい男同士のセックスなんて見たくないぞ。

でもよく見ると男同士でしている、カップルがちらほらといる。

鷹の翼ってこんなのか?フリーセックスすぎるぞ!



「ああん」


女の子の乳首を舐めあげる。


「こんなに固くしていやらしい子」


「だってっ」


すねるように言う女の子。


「こんないやらしい乳首は食べちゃう」


そのまま口に乳首を咥える。


「ああっんだめっ食べないっで」


口に乳首を含みながら、女の子の股間に手を伸ばす。


「ああーだめっ」


女の子は悶える。


「なにこれ?」


手を女の子に見せる。

その手には糸が引くぐらいの、粘液が付いていた。


「いやっ見ないで」


「こんなにここを濡らしていやらしい、感じている?」


「だめっいやっ」


そしてまた股間に手を入れる。


「ひっあああっやめてっ」


そして手を動かす。するとグチョグチョと音を立て始める。


「淫乱な子、これが気持ちいいの?ドンドンとお汁があふれている」


「いやっそんなこと言わないでっあんっ」


女の子は悶えて乱れる。


「どうしてほしい?」


「ひっいああんっっん」


すると動かしていた手を止める。


「言わないとやめるけど?」


「だめぇええ止めないで……もっとして」


「もっとして?それだけ?」


手を止めたまま女の子の顔を見つめている。


「………淫乱な私をもっと触って犯して……そして狂わせて………」


女の子は顔は恥ずかしいのか最後は顔をそむける。


「はいよくできました!いかしてあげるね」


手を激しく動かす!


「ああっううんっすごいっらめっ壊れちゃう」


「気持ちいいか?」


「ああっんすごいっきもちいいっっっっ」








「マルカ気持ちいいかっ」


やられている女の子はマルカだった。


「うん!すきっキュロ大好きっ」


そうマルカを攻めていたのはキュロだった。

あの可愛いしぐさのキュロはどこにもなく、男のようにマルカを蹂躙していた。

そう、キュロとマルカが二人でしていた。ふたりはレズっていたのだ。




あーーーー俺の淡い気持ちが!やっぱりなんか、この世界は俺に優しくないぞ!




でも………。


俺はそのままじっくりと見ていた。

結構いいもん見たかもしれない………。


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