第25話 王族と貴族は……。

「おらっ!こいよ!舐めていると同じように簡単に死ぬぜ」


クラークが吼えた。

その場にいた全ての男たちは、クラークに向かって行っていた。

不思議と俺たちの方は全く見ていなかった。

まるで魔法にかかったかのように、クラークしか見ていなかった。




俺たちは気配を消しながら奥の部屋を入っていた。


「うっ」


俺たちが入ろうとした時に、奥の部屋から出てきた男をマッシュが瞬時に倒す。

肉体強化魔法加速魔法を使っている俺たちは、その死体ごと気づかれないうちに一緒に奥の部屋に入る。



「さすがラーク、気配を隠せるうえにいつの間にか肉体強化魔法加速を使えるように?」


小声でマッシュが関心するように言ってきた。俺がマッシュと同じ速度でしかも気配を消してついていったからだ。


「つい最近です、実はみんなを驚かせたくて隠してました。」


まあ最近と言っても6年も前になるけどね。


「たしか魔法で治療もできるよな、それは確かにクラークが自慢するぐらいの才能だな……シールに似てよかったな」


うん、それは思う……。


「クラークなんかに似たら大変だよ」


キリクがそう言った。

そうなんだよな。グレールに来てから思っていたけど、成長して将来クラークに似てきて、やりちんになったらどうしようかと思っている。

まだ性欲は激しくないけど、思春期になってクラーク父親にそっくりになったら、とんでもない事をしそうでね。

童貞は捨てたいけど、クラークみたいに二つ名を遺すほどにはなりたくない。





「あっううあああっん」


ある部屋から、女の子のうめき声のようなのが聞こえてくる。

まさか!拷問されている!


「まてラーク」


俺はマッシュの制止を無視して、その部屋を戸を開けた。


その中には全裸の男が全裸の少女を上に乗っていた。

そいつは俺に気づかないのか必死に腰を振っていた。


「へへっ気持ちいいだろ、気持ちいいですと言ってみろっほれ」


足を持ち上げ正常位で腰を動かす。

俺は頭が真っ白になるぐらいのショックを受けていた。

えっもしかしてリリスたちが犯されているのか!俺は頭が真っ白になった。

完全に裸の少女とを犯していた。



「きさまーっ」


俺は剣を抜いて、その男に切り掛かった。


「えっなんだうわっ」


剣を防ごうと上げた腕を、ザクッ、ゴリッといったいやな感触とともに、俺の剣が彼の腕を切り落とした。


「うわっ」


俺は自分のしたことに驚きつつ、人を斬ったという罪悪感と恐怖が俺を支配する。


「うっ」


その男が動こうと立ち上がりかけたところを、マッシュが一瞬のうちに男の胸を貫き倒す。


「ラーク先走るな!慎重にしないと人質の命が危ないぞ」


マッシュが俺を叱る。

当然だ、俺がうかつ過ぎた。しかし知り合いがレイプされていたと思ったらから……。



……でもそれよりも俺は初めて人を斬ったことで動揺していた。


「ごめんなさい」


手が震える。

クラークたちと訓練をしていたが、人を傷つけたのは初めてだ。


「ラーク、無理をするな!まだお前には早い……汚いことは俺たちがするからラークは手をだすな」


マッシュは俺が震えているのを気づいたみたいだ。

俺はただ頷く。




上に乗っていた男だった物体をどかすと、下には全裸の女の子がいた。

俺はそれを見て『よかったリリスたちではない』と思ってすこしほっとしてしまった。

その女の子は茶髪の女の子だった。


「助けてくれたの?」


その子は俺達を見ると怯えたように見つめていた。


「ああ、そっちも攫われたのか?……シルフ姫?」


マッシュは驚いている。てか姫?!


「あなたはだれ?」


シルフ姫は胸を隠しながらマッシュを見つめる。


「元金級冒険者、鷹の翼所属だったマッシュです。以前に晩餐会でご挨拶をさせていただきました。」


冒険者はいざという戦争時に兵士として招集されて戦うから、冒険者は国の兵士と同じ扱いになる。別に毎月の給料が出るわけではないが、銀級より上のランキング上位の冒険者たちは、王が開く晩餐会とかにたまに呼ばれるようになり、金がもらえるようになると以前クラークが言っていたのを思い出した。   

もちろん呼ばれるのは、城を守る騎士のスカウトをするためとも言っていた。

金を払うのは強い冒険者を、他の国に逃がさないようにするためでもある。



「私は助かったのか……ううっ」


シルフ姫はボロボロと泣き出した。

全裸の彼女は全身が汚れていた。

年のころなら12・13歳ぐらいでものすごく可愛い顔をしていた。髪はポポと同じ茶色だが、瞳は青く大きくて、鼻は高く整っていて、まるで天使のようなと言ってもいいぐらいの顔をしていた。

こんな子にこんなことをするなんて……。



「これでもを着てください」


俺は近くにあった男の服をシルフ姫に渡した。もう一つあった女の子らしい服があったがボロボロに引き裂かれていたからだ。

シルフ姫は俺を見つめてから……。


「……ありがとう」


そう小さくつぶやいた。




「マッシュ、ラーク、こっちの部屋にいるよ」


キリクが扉の外から小声で話しかける。


「みんなは無事?」


俺は本来の目的を思い出す。リリスたちは無事なのか?もしかしたらシルフ姫と同じようにレイプをされているのか?


「大丈夫、安心して、誰かわからないけど無事だと思うわ」


キリクはそう言ったので、俺もそっちに行こうとするとシルフ姫に腕をつかまれた。


「待って……わたしも一緒に連れてって」


シルフ姫は泣きながら訴えた。まだ恐怖に支配されているのか震えている。

こんな状態で置いていけない、仕方がないので一緒に連れていくことに。


「うん、大丈夫だよ一緒に行こう!」


俺が手を出すと、手を握った。そして安心したかのようにほっとした顔をした。






「みんな」


リリスたちは目隠しをして、ロープで繋がれていたが無事だった。別に服も脱がされておらず、暴行の後も見ては取れなかった。

多分、奴隷として高く売るために、丁寧に扱われたのだろう。


「ラークっ」


目隠しを取ってロープを切り、リリスを開放すると抱き着かれた。


「……リリス苦しいよ、痛いところとかない?」


「ううん、大丈夫……きっと助けてくれると思っていた」


俺は困ってしまった。

女の子にこれまでの人生で前世を含めてこんなに抱き着かれたことないから……。


周りをみるとセララとマリとサリアはいた……ポポがいない。


「ポポがいない」


「ああこの部屋にはいないみたいだ」


マッシュがそう答えた。


「ポポは別の部屋かも……時々ポポの悲鳴が聞こえたから」


セララはすまなそうに言う。大丈夫か?拷問?くそっ俺は怒りがわいてくる。


「リリス、ポポを探してくるから放してくれる?」


リリスがはっとした感じで俺を突き飛ばす。


「べっ別にラークが助けに来てくれると思ったいたわけではないからねっ」


なんだよ、それ……そんなことわかっているよ?何を言っているんだ?

その時セララたちはニヤニヤしていたが、俺はたいして気づかなかった。

俺たちはみんなを解放するとそこを出て、他の部屋を探していた。


「ラーク敵に気をつけろよ、クラークが能力スキルで注意を集めているけど、その場にいなかったら働かないからな」


えっ?クラークって能力スキルとか持っているの?てかやっと異世界ファンタジーって感じなんだけど……。








「ポポがいたぞ」


部屋を探していると、マッシュがポポを見つけたみたいだ。


「ポポ大丈夫か?」


俺が急いでその部屋に入ると、ポポは全裸で倒れていた。つながれていたロープをはずすと俺はポポを抱き上げた。

全身は汚れていて傷を負っているのか、血も出ていたが見た感じ致命傷とかではない。

身体は暖かく体温があり呼吸をしていた。よかった生きている。



しかし身体からは異臭というか、前世で嗅いだことのある臭い……精子の匂いがした。


「護衛は殺して女は奴隷として売り、王族と貴族は強姦をしてから虐待して殺すのか、徹底しているな」


マッシュがそうつぶやいた。

他の部屋にも茶色の髪をした人が全裸で死んでいた。

女性ならずも男性もいて、いずれにしても激しい拷問の跡が有り……どれも強姦されていた。




「あ…。ラーク」


「ポポ起きたか?助けに来たぞ」


ポポは起きたが弱弱しい。


「…来てくれてありがとう……でもあんまりラークには見られたくない姿だね」


ふっと笑って言った。

ここでは精霊がいないので、治療魔法が使えない。


「外に出ないと治療が……」


俺はマッシュに言った。


「そうだな、そろそろ出てもいけるか?キリク!ポポを担いでくれ、ラーク出るぞ」


シルフ姫はシャツだけを着ているので、ポポに先ほどの男のズボンを穿かしてキリクが担いだ。


「みんな、俺から離れるなよ」


マッシュが二本の剣を握りなおしていた。



さっきいた広場に出ると血の海で凄惨な状態だった。10人ほどが斬られて死んでいた。

でもそこにはクラークとマリガ達の姿もいなかった。


耳を澄ますと洞窟の外から、金属が激しくぶつかる音が聞こえていた。


「あのバカ、本当に調子乗って外でやっているのか?」


クラークは外で戦っている!?魔法使いっぽい人は死体の中にいない。

大丈夫なのか?







俺たちが洞窟の外に出るとクラークとキリクたちが戦っていた。

その時。


「……火の精霊よ、我に敵対する物を我が意思を使い、敵を焼き尽くせ」


魔法使いの男がそう叫ぶと手に持っていたランタンをから巨大な炎が出てくる。



そしてその巨大な炎が、クラークの全身をを包んでいた。


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