第4話 無感情〜end〜

その日から何日たった日か覚えていない。


また両親が訪ねてきて唖然としていた。


それもそうだろう。僕はあの日から何もせずただ喪失感に蝕まれていただけなのだから。

君に会いたい気持ちだけがひとり走りしていたのか、裸足のまま、寝巻きのまま外を3時間うろついていたらしい。

そして、僕の座ってたところのすぐ近くにはカッターそしてロープがあったらしい。

僕の中に羞恥心も自尊心も全てどこかへ行ってしまっていた。


そして何かを考えること、感じること、疲れること何も忘れ、気づいた時には心も体も傷だらけであった。


僕の心には何でも埋めることの出来ない大きく深い穴が1つポッカリと空いていた。














それから何年か経った現在。

四方八方が白に包まれたこの部屋で僕は一人静かにすごしている。




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逃視 ミルクティ @milktea_

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