幕間 Ⅲ

 長い夜が明け、遠くの空がオレンジ色に染まり始めた頃、少年は旅立ちの支度を済ませ、最後に振り返った。


(……)


見る影も面影さえも失くしてしまった親友の亡骸は、苦心の末に研究所の中央にある実験台の上に横たえられていた。


(行ってきますね、ロッジ。君との約束は絶対ですから……必ず戻りますから……)


 少しでも気を緩めれば涙で視界がたやすく歪む。

 だが、もう泣いている暇は一秒たりともなかった。


(僕は君の前で誓いましたから。絶対にヴィーを助けてみせると。その目的のためなら――)






 そして。

 少年の心の声と、いつか聞いた親友の声が重なる。


(僕は――神でも殺す。殺してやる)



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