拝啓 咲太さま

 このように手紙を書くのはいつぶりでしょうか。咲太さんに伝えておかないといけないと思い、でも口で伝えることはできないので、手紙にすることにしました。

 最近、また小さくなることがあるようです。思春期症候群ですね。

 あの年の私は、何度も大きくなった。と咲太さんは思っていましたね。そして実は未来から私が七里ヶ浜に訪れていた、ということも伝えました。小さくなっているようだ、というのは、私のスマホにメッセージが残されていたということでわかりました。高校生の私が、○月✕日、デートの約束、なんて物騒なことを書いていたのです。もし、そのデートが実現したら、未来が変わるかもしれません。

 私にはどうにもできないですが、咲太さんなら、解決してくれるんじゃないかと思います。放課後の七里ヶ浜に行ってみてくれませんか? おそらく、あそこには幼い日の、もしくは高校生の私がいると思います。会うことができたら、デートなんてやめるんだ! とアドバイスしてくれないでしょうか? あなたが私を愛してくれるなら。

いつも、ありがとう。咲太さん。

かしこ


翔子

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る