自らの夢に苛まれ、自分は非情な人間なのではないかと悩む少女の心理が鮮明に描かれていてあたかも読者が少女であるかのような錯覚を覚えるほどであった。最後の場面ではどれほど行き過ぎてもやはり少女は一人の“人間”であることが暗に示されていると感じた。非日常的だが誰しもが陥りそうな心理状況を的確に表せている作品だと思った。