第34話

「よし!」


僕は制服に着替え学校に行く準備が整った


「なんか新鮮だなぁ」


決意が固まり、気持ちが入れ替わって久々の登校だから不思議と新鮮な気分だった


僕は下に降りてリビングに入った


「おはよう、母さん、親父」


「け、計都、お前良くなったのか?」


親父は驚いた顔で僕を見た


「うん、もう大丈夫、心配かけてごめん」


「本気で心配したんだぞ」


「本当にごめん」


「計都が良くなればそれで嬉しい」


親父はそう言ってコーヒーを飲んだ


「本当に良かったわ、昨日の修也君にお説教されたのかしら」


母親は笑いながら朝食を運んでいた


「ま、まぁね、先輩には厳しく言われたから」


僕は苦笑いした


「はっはっはっ、いい先輩だな」


親父は盛大に笑った

確かにその通りで見た目に反していい先輩だった


久々に家族で会話してとても楽しい気分になれた

僕はその後、久しぶりの家族との会話を楽しみながら朝食を食べた


「んじゃあ、いってきます」

「行ってくる」


僕と親父は玄関のドアを開けて母親に言った


「いってらっしゃい」


母親は僕と親父を見送った



学校に着き教室に入った


「計都!」


山田が僕を見て名前を呼んだ


「久しぶり、色々と悪かったな」


僕は少し照れくさく言った


「本当に良かった、大丈夫だったか?」


山田は僕に近づいてきた


「まぁ、一応はね、ところで春華ちゃんは?」


「まだ来てない、みんなはかなり心配しはじめてる」


僕は周りを見た、みんな僕を見ていた


「ちょっと、話したいことがあるから放課後で」


僕は山田に耳元で言った


「分かった」


「頼む」


僕はその後、先生と話して「体調が優れなかった」などと嘘を言ってなんとか逃れた、みんなからも色々と言われたが山田や臼井さんにも助けられなんとか騙せた


放課後になり、僕と山田、臼井さんで集まって話した


「で、どうなんだ?」


「うん、僕は春華ちゃんを助けたい」


「だろうな、計都ならそう言うと思った」


「でも、具体的にはどうするの?」


臼井さんが聞いた


「正直、今のところはいい案はない」


「うーん、どうするか」


3人で考えていた


「まず、考える前に探すのが先じゃないのか?」


そう言って教室に入ってきたのは


「修也先輩」


修也先輩だった


「まずは見つけることを優先した方がいいと思うぞ」


「なんでですか?」


「アイツはもう少しで答えにたどり着くかもしれないからだ、そうなると東堂が危ない、だから先に見つけることを優先しろ」


「そうですね、でも見つけたあとどうすれば?」


「そこは分からん、けどどうするかを考えても見つからなければ意味がないだろ」


「言われてみれば確かにそうですね」


「俺はとりあえずアイツの家周りを調べる、計都と2人は学校周辺と思い当たる場所を調べろ」


修也先輩は僕達に指示を出して教室から出ていった


「よし、そうと決まれば探すか」


山田は言った


「そうね、見つけよう」


臼井さんもやる気に満ちていた


「うん、必ず見つけよう、そしたら次は必ず説得する」


僕はそう言って4人でまず初めに春華ちゃんを見つけることを始めた


季節は12月の下旬だった

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