第30話

次の日になり僕はいつも通りに登校した

しかし、いつも通りだったが少し違った

朝は春華ちゃんとは会わずに教室に向かった

そして教室はまだ春華ちゃんは来ていなかった


「お、計都おはよう」


山田が僕の方を見て挨拶をした、その隣には臼井さんがいた


「う、うんおはよう」


僕は山田に軽く挨拶をして席に座った


「どうした、計都元気ないじゃん」


「どうしたの?計都くん」


山田と臼井さんが僕の目の前に来た


「別になんでもないよ」


「嘘つけ、顔色も良くないしなんかいつもと違うから分かるぞ」


「何かあったの?」


「本当に大丈夫だから」


僕は優しく言った、その時に


「おはよう」


春華ちゃんが来た


「おはよう」


「おはよう、春華ちゃん」


山田と臼井さんは挨拶した、しかし僕は黙ったままだった


「計都君」


春華ちゃんが僕の名前を呼んだ


「な、なに?」


「昼休み、話したいことがあるからいいかな?」


春華ちゃんは笑った、僕にはその笑顔が怖かった


「うん」


僕はただ一言そう言った

春華ちゃんは僕の言葉を聞いたあとに席に座った

すると山田が僕の耳元でささやいた


「計都、お前何かやったん?」


「何もやってないよ、ただ、、」


僕が言いかけた時にチャイムが鳴った


「あとは時間ある時に聞く」


山田はそう言って席に着いた、臼井さんもあとに続くように座った


そして授業が始まった

僕と春華ちゃんは昼休みになるまでずっと喋らずただ授業に集中してた


昼休みになった

すると春華ちゃんが僕の横に来た


「どこいく、、、」


僕がどこに行くか聞こうとした瞬間に春華ちゃんは僕の腕を強引に引っぱって教室を出ていった


「ちょっと、待って歩けるから」


「黙ってついてきて」


僕は自分で歩くと伝えたが春華ちゃんは聞かずにただ僕の腕を引っぱって歩いていた


連れていかれた場所は体育館倉庫だった

僕はそこでマットの上に押し倒されて春華ちゃんが僕の腹の上に馬乗り状態になり、逃げられないようにされた


「計都君、聞いてもいい?」


春華ちゃんの表情は下を向いて髪で隠れて見えなかった、しかし声量は昨日と同じだった


「な、なにかな?春華ちゃん」


僕は聞いた


「あの人の事を教えて」


春華ちゃんが聞いてきたのはやはり修也先輩の事だった


「、、、」


僕は黙って横を向いた


「計都君」


「、、、」


春華ちゃんは僕の名前を呼ぶが無視をした


「計都君、教えて」


僕は口を開いた


「ごめん、これだけは教えられない」


僕はそう言った、春華ちゃんに言った方がいいかもしれない、けど言ったら修也先輩の元に危険が及ぶかもしれない、そう思って僕は言った


「どうして?」


「どうしても言えない、ごめん」


僕はそう言った、すると僕の胸元に一滴の水が落ちた、僕はもしかしたらと思い確認しようと髪をどかそうとして手を近づけた途端、春華ちゃんが立ち上がった


「分かった、バイバイ」


春華ちゃんはそう言って体育館倉庫から出ていった


「泣いていた?」


最後まで春華ちゃんは顔を僕に見せなかったため確認は出来なかったが明らかに泣いていた


僕は気持ちの整理がつかないまま教室に戻った


「計都〜」


山田が僕の椅子に座って机の上でリラックス状態だった


「どうした?」


僕は聞くと


「な〜んか、春華ちゃんが泣いて帰ったぜ〜、お前なんかしたんだろ〜」


「え?」


すると臼井さんが僕の横に来た


「計都くん、春華ちゃんとケンカしたの?」


「いや、してないけど」


ケンカはしてない、ただ聞かれただけだった


「計都〜、お前やばいんじゃね?」


山田が気が抜けた声で言ってきた


「ま、まぁケンカはしてないから大丈夫だと思うよ」


僕はとりあえずと言った感じでそう言った


その後、僕は山田をどかしてお昼を食べて春華ちゃんが帰ってしまったため午後の授業はいないままスタートした、僕はまだ気持ちの整理が出来てない状態だったが明日また春華ちゃんと話せばいいやと思っていた


しかし


春華ちゃんはその日を境に学校に来なかった、、、

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