第29話

約三日間のテストが始まり僕達は頑張って問題を解いた


そしてテストが終わった


「やっと終わった〜」


僕は肩を軽く回して一息ついた


「お疲れ様」


春華ちゃんがうしろから言ってきた


「ありがとう、さて行こうかな」


「ん?どこに行くの?」


テストが終わりこのあとは帰りだけだったので帰る前に一度修也先輩に会いに行こうとした


「いや、ちょっとね」


「どこいくの?」


春華ちゃんが僕の腕を掴んだ


「えっと修也先輩のところ、かな」


「、、、」


春華ちゃんはそれを聞いて無言のまま手を離した


「そっか分かった、なら私は帰ろうかな」


「うん、ごめんね、それじゃあ行ってくるじゃあね」


「バイバイ」


僕は春華ちゃんに手を振り教室を出て修也先輩がいる教室に向かった


ちょうど修也先輩が教室を出るところだった


「修也先輩!」


修也先輩は僕の声に気づいてこっちを見た


「計都か、どうした?」


「いや、特に重要な事ではないんですけど聞きたいことがありまして〜」


「なんだ?」


「いや、ここだとあれですから帰り道に話します」


「分かった、とりあえず学校を出るか」


「はい」


僕と修也先輩は学校を出て2人で帰り道を歩き始めた


「んで、話ってのは?」


「えっと、僕、分からなくなってるんです」


「分からなくなってる、とは?」


「そうですね、言ってしまえば本当に春華ちゃんの事が好きなのかって事です」


僕は俯きながら修也先輩に聞いた


「それは知らん」


「そうですよね」


「その事はお前にしか分からないことだ、俺に聞く事ではないだろ?」


「確かにそうですけど、でも前に友達に聞かれた時に思ったんです、本当に好きかって」


「だからそれは俺に聞くことにではないだろう」


「はい、でも僕は春華ちゃんの事が好きです、でもやっぱ何かおかしいんです」


「、、、」


「何か、こう好きなんですけど、突っかかるとゆうか、何かがあるんです」


「なんだそりゃ」


「分からないです」


「お前が分からないんじゃ、俺も分からねぇ」


「ですよね」


「一つだけ言っとく」


「なんでしょうか?」


「アイツは危険だ、危なくなったらスグに逃げろ」


「は、はい」


「それじゃあ」


修也先輩はそう言って帰っていった


僕は色々と考えながら帰り道を歩いていた

するとうしろから視線を感じた


「誰っ!」


僕はうしろを見た、そこには


「ニャー」


三毛猫がいた


「なんだ猫か、、」


三毛猫はトコトコと歩いてどこかに去っていった


「はぁ、ビックリした」


僕はそのまま家に帰った

家に着くとまだ誰も帰ってはなく鍵が掛かっていた


「まぁ、帰りが早いから母さん達はまだ帰ってこないよな」


僕はドアの隣にあった植木鉢の下から鍵を取り出した


「防犯対策が緩いなぁいつも思うけど」


僕は鍵口に鍵を差し込んだ、その時


「計都君」


いつも聞いたことのある声だった

僕は振り向くと


「春華ちゃん?」


そこにいたのは春華ちゃんだった


「どうしているの?家逆方向じゃなかったけ?」


春華ちゃんの家は僕とは真逆の方向だったためこんなところで会うはずはなかった


「ちょっと散歩してたらね」


春華ちゃんはそう言ったが見た感じ制服姿でまだバッグを持っていた、いかにもあとからついてきたような格好だった


「そ、そうなの」


僕は唾を呑んだ、つけられていた、と思ったからだ


「じゃあ僕は家に入るね、じゃあね」


僕は少し焦り、ドアの方を見て開けて家の中に入りドアを閉めようとした時、急にドアが重くなった、振り返ると春華ちゃんが手でドアを押さまえていた


「計都君、お邪魔してもいい?」


そんな強引な方法があるのか、と思ったが断れずに家の中に招いてしまった


中に入り、リビングを案内した


「と、とりあえず座ってて」


「うん」


春華ちゃんはニコニコしていた


「何か飲む?」


僕は台所に行き、冷蔵庫を開けた


「なんでもいいよ」


春華ちゃんは答えた


「お茶でいい?」


「いいよ」


僕は2つコップを取り出してお茶をいれて春華ちゃんの所に持っていき置いて、僕も向かい側に座った、春華ちゃんはじっと僕の方を見てニコニコしていた


「えっと〜、、」


僕が何か話題を出そうとしたら


「あの人は誰?」


春華ちゃんが聞いてきた


「え?」


「さっき一緒にいた人」


「さっき、、、あ!」


僕は修也先輩の事をだと思った、しかし不可解な点があった


「修也先輩の事?」


「うん。その人」


やっぱりだ、春華ちゃんは僕達のあとをついてきた、散歩ってのは嘘だった


「なんで修也先輩の事を?」


「いいから教えて」


春華ちゃんはまだニコニコしていたが、威圧感があったため、少しだけ教えることにした


「えっと修也先輩の事は覚えてない?」


「前にも言ったけど知らないわ、ただ何か覚えがあるの」


「実はあの人は、、、」


僕が言おうとした瞬間


「ただいま〜」


母親が帰ってきた


「母さん」


「計都、おかえり、あらこの子は?」


「すみません、お邪魔しております」


春華ちゃんは母親に一礼した


「あら可愛い!もしかして彼女ちゃん」


「はい、計都君の彼女で佐藤 春華と言います」


「ん〜、可愛いー!」


母親は春華ちゃんに抱きつき頭を撫でた


「ちょっと母さん」


僕は止めようとした


「すみません、お義母さん、ちょっとこうゆのに慣れてなくて」


「あら、ごめんなさい、それにお義母さんなんて、もうお嫁さん確定かな」


「ちょっと母さん、恥ずかしいからやめて」


「すみません、私はこれで」


春華ちゃんは母親の拘束からするりと抜けて立ち上がった


「あ〜、春華ちゃん」


母親は春華ちゃんが自分の腕から抜けて悲しそうな声を出した


「それではさよなら」


春華ちゃんはリビングを出る前に僕達に一礼してから帰っていった


「あら、帰っちゃった、あれ?どうしたの計都、そんな汗をかいて」


僕は春華ちゃんが帰った瞬間、汗が一気に出た


「ごめん、部屋に行く」


僕はリビングを出て自分の部屋に入った


「はぁ、危なかった」


あの時に母親が帰ってこなかったら全て話していたかもしれない、もし全て話したらどうなるか分からなかった、分かりもしたくなかった、もしかしたら別れる?いや、分からない、ただあの時に話そうとしたのは間違っていた選択だったかもしれない、だからあの時に母親が帰ってきてくれて良かった


「良かった」


僕は部屋のドアに寄りかかってその場に座り込んだ


「本当にどうすればいいんだ」


このままだとバレるのが時間の問題だった、僕はどうするか考えた


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


私は家に帰った、家には誰もいない

誰も『おかえり』と言ってくれる人はもういない

それはもういないからだ

でも今は『計都君』がいるから大丈夫

私はそれだけでいい

入学式に会った瞬間に一目惚れしちゃた


「とても可愛いく、優しい計都君」


私は今日やっと家に入れた 嬉しい

そしてお母様と会えた 嬉しい

それにお嫁に来てもいいと言ってくれた 嬉しい


計都君はどう思ってるかな?


でも何故か気になる人がいる

『遠藤 修也』

あの人は誰?、私が知ってる人?

でも知らない

誰だろう、計都君に聞いたけどもったいぶって答えようとした所でお母様が帰ってきた

次はちゃんと二人っきりで話そう

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