第14話

『んん〜』


朝目覚めて時計を確認したら6時すぎを指していた


『そういえば東堂先輩の家から学校までどのくらいだろう?起きてるかな?』


布団から出て東堂先輩が寝てるリビングに向かった


「おや、早いね、おはよ」


東堂先輩は起きていて朝ごはんの支度をしていた


『おはよう、私はこの時間にいつも起きてるからいつものことだけど、先輩は早いですね』


「ああ、俺は朝飯を早くつくるために毎朝5時ぐらいには起きてるんだ」


『そうなんですね、凄いですね』


「別に凄くはないよ、もう慣れてることだからね、はい朝ごはん、厚焼き玉子と焼き鮭」


机の上に玉子と鮭がのった皿が置かれた


『え?いやいや大丈夫ですよ!さすがに朝食まで頂けませんよ』


「いや食べていって、もう作っちゃたから」


東堂先輩はもう一つ玉子と鮭が乗った皿を持ってきた


『そ、それならお言葉に甘えていただきます』


私は恐る恐る椅子に座り食べ始めた



私と東堂先輩は向かい合わせで無言のまま食べ続けた


『ご馳走様です』


私は先に食べ終わり食器を流しに持っていった


『着替えてきちゃいます』


「分かった、俺はもう少しで食べ終わるから」


部屋に戻り急いで制服に着替えた


『うぅ、ちょっと匂いが気になるけどしょうがない』


着替えおわりまたリビングに戻った


『終わりました』


「了解、俺はまだかかりそうだから先に行ってもいいぞ、学校の行き方は分かる?」


東堂先輩は食器を洗っていた


『すみません、わからないです』


「はは、だよな、そしたら待ってて電話で近くの知り合いと行ってもらうように頼むから、ああ大丈夫だよ女子だから」


『すみません、ありがとうございます』


私は東堂先輩と一緒に登校出来なかったのは少し残念だと思ったがもし一緒に登校してるのをななちゃんに見られたらどうしようかと思ったが安心した


東堂先輩は手を拭いて電話をし始めた


「あ、もしもし鏡花、今ウチにこれる?、、うん、そうそう頼むわ、はい宜しく」


東堂先輩はすぐに電話が終わりまた食器を洗い始めた


「すぐに来るから、待ってて」


『はい、あ、それと電話の相手はキョウカさん?でしたっけ?先輩とはどういう関係ですか?』


私は無神経なことを聞いてしまった、しかし東堂先輩はきにせずに答えた


「ああ、鏡花はクラス委員長だからな、頼りになる人だ」


『委員長ですか、そっか』


私はなぜかホッとした


その時に家のチャイムが鳴った


「お、来たな」


そう言って東堂先輩は玄関に向かった

私もその後について行った


玄関の扉を開けると、そこには


『あ、』


もう会いたくないと思った人物がそこにいた


「おはようございます、祥二さん」


そこに立っていたのは昨日、私の髪をズタズタに切った3人組の一人だった


昨日の雰囲気とは違って黒縁メガネを掛けて凛々しく立っていた


「おはよう、委員長、ちょっと佐藤さんと一緒に学校行ってくれないか?俺はまだ朝の用事が終わらないからまたギリギリに行くから」


東堂先輩は笑って誤魔化してた


「もう、祥二さんはいつも面倒事を押し付ける、ま、一人暮らしだからしょうがないですけど、分かりました、遅刻しないように」


鏡花さんはそう言って私の方を見た、その目は軽蔑したような目だった

私は断れずにそのままついて行くことになった


通学路を二人で歩いていた、私は少しうしろを歩いていた


『……』


私は地面を見つつ鏡花さんを時々見たりしていた

そして口を開いたのは鏡花さんだった


「ふん、死んでいなかったのね」


開口一番がその言葉だった


『……』


「黙ってるつもりならいいけど」


私は黙ったままだったが少し間が空いたあとに口を開いた


『あの、、』


「なに?」


『私は先輩をたぶらかしたりなんてしてません』


「は?」


私は思い切って言った、ここでなぜその噂が流れたのか気になり、またここでその噂が消せればもうあんな目に会うことはないと思ったからだ


『私はただ東堂先輩の事を調べるように同級生に言われただけであって、そんな事をしていたわけじゃないんです』


「……」


『だから私はただ、、、』


同じことを言おうとしたら鏡花さんは立ち止まり振り返った


「あなた、その話は本当?」


『え?』


鏡花さんは目はさっきと違い真剣な眼差しをしていた


『は、はい、本当です』


「…私はとんでもない事をしてしまったわ」


鏡花さんは俯いた


『あの、どういう事ですか?』


「ごめんなさい」


鏡花さんは私に謝り抱きついてきた


「ごめんなさい、ごめんなさい」


ずっと謝り泣いていた


『え?え?』


私は理解出来なかった


「謝って許して貰えるとは思ってないけど、ごめんなさい」


『ちょっと鏡花先輩どういう事ですか』


私はちょっと強引に鏡花さんを引き離した


「そうね、説明しなくちゃ分からないよね」


鏡花さんはポケットからハンカチを取り出して涙を拭いた


「簡単に説明するとね、私は祥二に従っていただけなの、それとあなたは祥二には気をつけた方がいいわ」


『どういう事ですか?よく分からないんですが』


「ええ、そうね詳しいことは今週の日曜日に会って話しましょう」


鏡花さんはメモ帳を取り出して胸ポケットからペンを取り出してメモ帳に書いて私に渡した


『喫茶店ですか、分かりました』


「私のせいで髪がボロボロになってしまったのはごめんなさい」


『もう大丈夫ですよ、髪はもう気にしてないですから』


私はそう言ったが少しまだ気にしていて鏡花さんをまだ許せてなかった


「もう少しで学校だから門に近づき始めたら私とは距離をとって、じゃないとまずいかもしれないから」


『分かりました』



そして二人で歩いて学校に近づいてきた、私は言われた通りに少し距離をとった


そして私は何事もなかったのかのように授業を受けた


授業も終わり帰ろうとしたが先にやるべき事をした


『ななちゃん』


ななちゃんの席に向かった


『あの、、ご、ごめんなさい』


私は頭を下げて謝った


「はるちゃん、大丈夫だよ、私が先に謝らなきゃいけないのに」


『私が話を聞かなかったのがいけなかった、から、、、』


「もう、はるちゃん私は気にしてないよ、私ははるちゃんと親友じゃなくなるのが怖かったんだから」


『ななちゃん、、』


「はるちゃん、一緒に帰ろ」


ななちゃんは手を差し出してきた


『うん』


私はななちゃんの手をとり、手を繋いで帰った



二人で一緒に帰り家に着いた


「また明日ね、はるちゃん」


『うん、また明日、ななちゃん』


私とななちゃんは手を振り家に帰った


私は家に着いて中に入った


『ただいま』


リビングに向かった

そこにはパパとママが既にいた


「春華昨日はどこにいた」


パパが聞いてきた


『先輩の家に泊まった』


「なに?」


『昨日の帰りに、、』


私が泊まった理由を言おうとしたらパパが私に近づいてきた、そして


バチンッ!!


パパが私の頬を平手打ちした


「お前はまた勝手に、、」


私はその場から逃げるように部屋に戻った


『もうなんなのよ』


パパとママは過保護なのだが行き過ぎたとしか思えないよな事しかしない、もう過保護とはいえないただの軽い束縛になりつつあった


『嫌になってくる』


私は少し時間を置いてからお風呂にはいりそのまま部屋に戻って新しい制服を出してから布団に入った


『明日は金曜日か、日曜日に学校近くの喫茶店で話すのか、もういろんな出来事がありすぎて困る』


そう思って私は眠りについた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る