第13話
長い時間目を閉じていた気がする
私は目を開けた
目を開けたら天井があった
私はベッドに寝かされていた
『(あれ?私外にいたはずじゃ)』
頭だけ動かし周りを見渡すと見知らぬ部屋にいた
『(見た感じ普通の部屋だ)』
すると部屋のドアが開いた
「あ、目が覚めた?」
入ってきたのは東堂先輩だった
お風呂上がったばかりなのか髪が濡れていて首からタオルをかけていた
『え?先輩?』
「良かった、帰り道に通ったら佐藤さんが倒れていてビックリしたよ」
『帰り道、、、あ、、』
私は思い出してその場から勢いよく起き上がった、そしたら全身に痛みが走った
『痛っ!』
制服のままで汚かったが、所々軽く拭いたあとがあった
「大丈夫?一応制服は脱がせなかったけど凄い汚れていたから拭くことしか出来なかったけど、それよりも顔にあっちこっちあるアザとかどうしたの?」
『……』
私は黙った、知られたくない、むしろどう反応されるか怖かった
「見た感じ思い出したくはないよね、無理して言わなくていいよ」
『あの、、』
ぐぅぅぅぅ
私が言おうとした瞬間、私のお腹が鳴った
急いでお腹を抑えたがもう鳴ったあとだったので遅かった
「あ、まだ晩御飯まだだよね、いまもってくるよ」
『す、すみません』
赤面しながら答えた
東堂先輩は部屋から出た
『恥ずかしい、先輩の前で』
私はベッドから出て床に座った
壁に掛けていた時計を見たら9時を回ろうとしていた
『私、長い時間目を閉じていたのね』
さらに見渡していたら机の上に写真があった、それを見ようと立ち上がり近づいた途端にドアが開いた
「持ってきたよ、夕食の残りになっちゃたのは申し訳ない」
東堂先輩が持ってきたのはチャーハンだった
「あ、その写真見てもいいよ」
『すみません、勝手に』
と私は謝りながら写真を見た、そこには
入学式の写真で「入学式」の看板を挟むようにして左に東堂先輩で右には母親と父親らしき人物が写っていた
「それは入学式だね、おれは今は爺ちゃん婆ちゃんが残した家から学校に通っているから今は一人暮らしなんだ、右にいるのはお母さんとお父さん」
『一人暮らしは大変そうですね』
「ん〜、確かに最初は大変だったね、家の事もあり、お金もあり、また部活もあったから大変だったよ、けど今は慣れてるから平気だよ」
『へぇ〜、やっぱ寂しくなりませんか?一人暮らしだと』
「そりゃ、寂しいよけど学校は楽しいから寂しいのが紛れるね」
私はその言葉を聞いた瞬間、心が痛んだ
「さ、早く食べないと冷めちゃう、あとは食べ終わってから話そう、それにお風呂にも入らないとね」
東堂先輩はニコッとしながら言った
そして床に小さなテーブル置いて東堂先輩と向かい合わせに座りその上にチャーハンが置かれた
『いただきます』
私は手を合わせあいさつをした
そしてスプーンで一口食べた
とても美味しかった
すると涙が1滴零れた
「ど、どうしたの?」
東堂先輩がビックリした
『ご、ごめんなさい』
すぐに涙を拭いた
『こんなにもグスッ、美味しいとは思わなくて、、、』
「そんなにか?」
東堂先輩は唖然としていた
私は本当に美味しかった、しかし美味しさからくる涙ではなく、昨日の一人で食べたチャーハンよりほかの人のぬくもりを感じながら食べるチャーハンはさらに美味しいと感じたからだった
私はそのまま涙を堪えても零れてくる涙は止まらず食べ続けた
食べ終わり私は涙を拭いた
「本当に大丈夫?」
『はい、大丈夫です』
「大丈夫ならいいか、お風呂入るでしょ、ただウチは知っての通り俺しかいないから男ものの服しかないから学校のジャージで大丈夫?」
『はい、大丈夫です』
「そしたらお風呂はこっちだから着いてきて」
東堂先輩は立ち上がり、しっかりと涙を拭いて私もその後に続いた
お風呂の前の脱衣場に着いて東堂先輩が
「ちょっと待ってジャージもってくる」
と言って家の中を走って部屋に向かった
帰ってきて手にはジャージ上下持ってきた
「はい、あとは俺は部屋で待ってるから、あとそれと今日はもう遅いから泊まっていっても平気だからもし帰れなそうだった泊まってもいいよ」
東堂先輩はそう言って部屋に戻った
『ととと泊まる!?』
私は顔を赤くして焦った、なぜなら当然ながら私達はまだ中学生であり、まだ子供であるからだ
そして、一目惚れした先輩と泊まると言われたからだ
『ちょっと!先輩!と、行っちゃった』
私は止めようとしたがもう部屋に戻っておりわざわざ言いに行くのもめんどくさがられると思った
『とりあえず、入らせてもらおう』
私は制服を脱いでお風呂に入った
浴槽に浸かる前に鏡で自分の姿を確認した
『あ!私の髪ずっとこのままだったじゃん!恥ずかしい!』
そう、髪は無理矢理切られて長さがバラバラだった
『やっぱアザは残るよね』
自分の身体を確認すると胸から脚にかけてアザだらけだった
『強く蹴られたものね』
私はお腹にあったアザを軽くさすってため息をついた
『やっぱ何かしたかな私?』
言われた事を思い出しつつ浴槽に浸かった
『ななちゃんはあの様子だと言わないとゆうか言いふらさないタイプだから違う、東堂先輩はそんな事はしない人だと思うから違う、ならやっぱ第三者の間違った噂からかな?』
私は明日また学校に行くのが怖かった
『やだなぁ、行きたくない』
お風呂から出て先輩のジャージを着替えた
『ちょっと大きい、当たり前か先輩は私より二回りぐらい大きいのだから』
ジャージに着替えたあとに制服を濡らしたタオルで汚れた部分を拭き取った
『ある程度落ちたけどまだ汚れてる、明日は上着は着なくていいかな、それと下着だけどさすがに付けないとゆうのもなぁ、かと言って洗わないのも、、いいや洗っちゃお』
制服を畳んで、下着はお風呂にあった桶に水を張りそこにいれて洗った
『雑だけどさすがに先輩の洗濯機を借りるわけにはいかないよね』
と自分に言い聞かせて洗った
洗い終わり軽くタオルで水を吸わせてから畳んだ制服の間に挟んだ
『あ、髪を切らないと』
私は自分の髪を見て言った、元々は長い髪だったが長さがバラバラになってしまったので不格好だった
『ショートにしちゃお』
脱衣場にハサミがあったため風呂場の鏡を見て髪の毛を切った
『よし、これでいいかな』
頭を横に振って確かめた、長い髪から短くなりショートになった
脱衣場から出て部屋に戻ろうとした、その時にリビングから声が聞こえた、東堂先輩の声だった
私は聞き耳をたてた
「あ〜、一応ウチで泊まらす、大丈夫だよ気づきはしない、あとは……」
多分、電話をしているんだと思う
よく聞き取れなく話してる内容は分からなかった
「……分かった、また段取りはあとで、じゃあな」
そう言って電話を切った
「さて、そろそろ出てくる頃かな」
東堂先輩がこっちに来て、ちょうど廊下で会った
「お、やっと出たか、髪切ったの?」
『はい、お風呂ありがとうございます、髪は長さバラバラだったの先輩に見られて恥ずかしかったのもありますけどさすがに学校行く時にあんな不格好だと、、、』
「それは良かった、なら俺はリビングで寝るから佐藤さんは俺の部屋のベッドで寝ていいよ」
『え?いや大丈夫ですよ』
「遠慮するなって、んじゃおやすみ」
東堂先輩はリビングに戻った
『うぅ、落ち着かない』
私は東堂先輩の部屋に向かった
そして部屋にはいりあまりウロウロせずにテーブルの上に制服を置いて電気を消してベッドにはいった
『はぁ、最悪の1日だったな、ななちゃんには怒っちゃうし、髪は切られるし、もう大変だった、けど先輩の家に泊まれたのはラッキーかな?』
私は東堂先輩を諦めたはずなのになぜか心のどこかで諦めがつかなかったのか分からいけど嬉しかった
そして気づいた時には眠りについていた
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