第10話
次の日から私は先輩をさぐり始めた
まず初めに当たり前だけど名前から調べ始めた
『あ、あの先輩!』
部活終わりに声をかけた
「ん?どうした佐藤さん」
『いや別にちょっと気になったことがありまして、、、』
「なにが?」
『先輩の名前はなんて書けばいいのですか?』
私は自分で言った事が理解が出来なかった、それぐらい焦っていたのかもね、けどね先輩は優しかったの
「ああ、よく言われる、俺の名前は東堂とうどう 祥二しょうじ、しめすへんに部首は羊、そして漢数字の二で祥二だ」
『あ、はいありがとうございます』
私は急いでメモをとった
『すみません、それと東堂先輩は彼女さんはいらっしゃいますか?』
私は段取りをふまず聞いてしまった、けど東堂先輩は笑顔で答えた
「はは、いやいないよ」
『あ、えっとすみません、ありがとうございます』
私は急いで東堂先輩に一礼してその場を離れた
「なんだったんだ彼女?」
自宅に帰り私なりに東堂先輩の事をまとめた、しかしまとめてるうちに確かな感情が芽生えた、恋だった
私はななちゃんに東堂先輩の情報を伝えていたがいくつかは伝えずに私だけのものにしようとして裏では東堂先輩と仲を深めていった
もちろん東堂先輩はななちゃんとの仲を深めていったが私の方が上手うわてだった
しかし、そんな事はいつかはバレる事は分かっていた
ある日の放課後、部活に行く前にななちゃんに声をかけられた
「ねぇ、ちょっとはるちゃん」
『ん?なぁにななちゃん?』
「はるちゃん、私に隠し事してない?」
『いや、ないよ』
「本当に?最近、東堂先輩と仲がいいらしいじゃない?はるちゃん本当に東堂先輩の事興味ないの?本当はあるんじゃない?」
『ないよ!私はななちゃんの事を騙そうなんてしてないよ!』
私は焦ったわ、必死に何か言い訳を考えようとしたわ、けどそれがいけなかった
「嘘よ!だって、、、」
はるちゃんが何か言おうとした瞬間、声が聞こえた
「佐藤さん?どうしたの?それに七海さん」
それは東堂先輩だった
『え?いやなんでもないよ』
「ちょうど良かったわ、ねぇ東堂先輩」
『ななちゃん!』
私は止めようとしたが遅かった
「東堂先輩、私と佐藤さん、どっちが好きですか?」
ななちゃんは東堂先輩に直球で質問した
東堂先輩は腕を組み目を瞑り考え込んだ
そして
「う〜ん、それは今答えないとダメかい?」
「はい」
そうして東堂先輩は腕を下げて右手で指を指した
指したのは私だった
『え?』
「俺は佐藤さんが好きかな、佐藤さんは話を聞いてくれるし、色んな趣味も合うから話していて気がとても楽だったよ、でもね、、、」
東堂先輩は続けて何か言おうとしていたがななちゃんが
「なによそれ、はるちゃん私に嘘をついていたじゃない」
ななちゃんの表情を見ると涙を流して拳を力強く握っていた
『いや、まっ、、』
私が弁解しようとしたがななちゃんは走って教室から出ていってしまったの
「あ、待って!」
東堂先輩は止めようとしたがそれを振り払うように廊下を走っていった
『ごめんなさい、私のせいで』
「いや悪かったのは俺の方だな」
『でも、東堂先輩は私の事が好きなんですよね?』
私は聞いてしまった、けどそれが失敗だったの、もし聞かなければ今後に起きる出来事がなかったかもしれなかったのに
「ごめん、好きとゆう意味は恋愛対象ではなく、ただの後輩の友達としての友達の好きとゆう意味で恋愛対象ではもの凄く言い難いんだけど七海さんだったんだよね」
『え?それって』
私は理解出来たが理解したくもなかった
「えっと、、本当にごめん、けどこれからも友達としていてくれるかな?それと七海さんの事は伝えてもらえないかな?」
東堂先輩は頭を下げてきた、しかし私は許せなかった、ななちゃんを、東堂先輩を
私はずっと東堂先輩と仲良くして必死に話を聞いて、必死に趣味を合わせて、必死に色んな事を手助けをして、必死に、必死に、、、
《好き》だと言ってもらえるように必死に頑張った。
けど、それは届かなかった、私はもうどうでもよくなった、人間関係も、恋愛も、何もかもが
『分かった、伝えておきます、それと先輩』
私は伝えた、もう先輩との会話がこれで最後だと思ったからだ
『私は東堂先輩の事が好きでした、ありがとうございます、そして部活は退部します。もう先輩とは関わることはないでしょう、さよなら』
私はそう言い残して頭を下げていた先輩の横を通り過ぎて教室から出た
「あ、待って!佐藤さん!」
うしろから先輩の声が聞こえたがもう振り返ることは無い、ただ私の顔には一滴の涙が零れただけだった
私はその帰り際にななちゃんのポストに一通の手紙をいれた、そこには
《東堂です、まず初めにごめんなさい、もう一度俺と話してくれないでしょうか?連絡を待っています。連絡先○○○-○○○○》
これでいい、もう私は二人には一生関わることはない、これでいいんだ
そして私は数日間学校を休んだ
次に登校したら二人は結ばれていた、登校する二人の背中はとても幸せで笑いながら話していた
私はそれをじっと見つめていた
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