第2話

『春』


春とは新たなる始まりでもあり、新しい出会いもある、とても素晴らしい季節だ


俺はそんな春に新しい出会いをしてしまい、一目惚れをしてしまった...


「新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます、君たちは、、、」


入学式は高校の体育館で行われて壇上の校長先生が話をしていた、生徒は前列で保護者が後列に並んで座っていた、俺は中央より少しうしろだった


俺はさっきの女の子を見つけようと周りを静かに見渡したがそれらしき女の子を見つけることはできなかった


『あれ?いないなぁ、もしかして2年生だった?』


俺はそう思い少し残念な気持ちになった


入学式が終わり、これからクラス分けで教室に向かう予定だった


『はぁ、2年生だったのかなぁ?なら告白は無理かな』


俺は渋々と自分の割り振られたクラスに向かった


クラスに入るとみんな静かでじっと先生を待っていた


『みんな緊張してるんだなぁ、俺もだけど』


俺は黒板に貼ってあった座席表を確認して自分の机に向かって座った


『中央で前から2列目か、普通に勉強に集中できそうだ』


しかし、俺はこの時は自分の席に座ることしか考えてなかったので周りには気づかなかった


「おはよ、よろしくね、計都君」


席に座った瞬間にうしろから女の子に声をかけられた、俺は誰だろうと思いうしろを見た

見た瞬間にびっくりした


「うぇっ!」


俺は変な声が出て椅子から落ちそうになった、変な声が出たせいで周りから一斉に俺の方を見た、なぜなら朝に一目惚れした女の子がいたからだ


「あ、ごめんなさい、なんでもないです」


俺は周りにいたクラスの子に謝った、俺は椅子を座り直して、椅子は前に向けて体はうしろに向けけた


「驚かせてごめんなさい、計都君」


「ああ、大丈夫、それよりなんで俺の名前を?」


女の子は指を指した、指したのは黒板に貼ってある座席表を指していた


「それはね、普通に黒板の座席表に書いてあったからよ、私は全部覚えた」


「全部?!すごっ」


俺はびっくりした、まだ一日目なのにクラスの名前を覚えるなんて


「それより計都君、朝私と目が合ったわよね?」


俺はいきなり核心を突かれて一瞬戸惑った


「えっ?ああ、合ったね」


「私、計都君と目が合った瞬間にこの人は面白そうだなぁと思ったの、計都君は私の事をどう思ったの?」


「ええ〜と、俺はき、綺麗な人だと思った」


俺は顔を赤くして恥ずかしながらも正直に言った


「プッ、あっはは、何それ面白い〜、あはは」


女の子は笑い出した


「笑っちゃうのか」


俺はこの子少し変な子なのかなと思ったが、その笑った顔がたまらなく可愛いかった


「それより私の名前を言ってないね」


女の子は泣き目になりながら笑いをまだ堪えつつ言ってきた


「ああ、そうだね」


「私の名前は佐藤 春華、春に難しい方の華とかいてはるか、よろしくね」


春華は握手を求めて手を出してきた


「俺は高橋 計都だ、といってももう知ってるか」


俺は自分の名前を言ったが既に知っていることは分かっていたが一応礼儀として名乗って春華と握手をした、春華の手は少しひんやりと冷たかった


入学式も終わり、クラス毎により担任の先生との顔合わせも終わりみんな正門前で両親での会話や新しくできた友達との会話を楽しんでいた


「あ!いたいた!計都〜」


俺の名前を言って手を振っていたのは母親だった、母親は他の母親と会話をしていたが俺を見つけた途端に会話を遮って俺の名前を呼んだのだ


「こんにちは〜、母さん、俺は用事があるから先に帰ってもいいよ」


俺は母親の所に行き、周りにいたお母様方に挨拶をして母親に用件を伝えた


「分かった、あ!そ・れ・よ・り、写真とりましょ、写真!」


母親はウキウキしながら俺を正門に飾ってあった入学式の看板まで連れていかれた


「はい、ピースして計都」


母親のテンションがめちゃくちゃ高かった、他のママ友にスマフォを渡して、俺と母親で入学式の看板を挟むようにして2人共ピースして笑顔で写真を撮った


「んじゃ、俺はもう行くからまたあとで」


「分かった、家で待ってるわ」


俺は母親に軽く手を振り校内にまた入っていった


俺は自分の教室に戻った、まだ春華がいるからだ、なぜならみんな帰る時に1人だけずっと座っていたからだ、そして俺は母親と別れ際に校内の窓から見下ろしていた春華を見つけたから戻ったのだ


俺は教室に入った、そこには窓から見下ろしていた春華がいた


「あれ?計都君戻ってきたの?」


「ああ、絶好のチャンスだと思ってな」


俺は教室の中に入り、春華のうしろに立った、春華は振り向いた


「何のチャンス?」


春華はにやけながら俺を見ていた、俺は唾を飲み、決心した


「お、俺と付き合ってください」


俺は腰から90度曲げて手を出した

言った、言ってしまった


「いいよ」


春華が小さく言った


「え?」


俺は聞き取れずに顔をあげてキョトンとした


「いいよ、て言ったのよ」


春華は手を握ってきた


「本当に?」


俺は腰を真っ直ぐにして聞き返してしまった


「ええ、本当よ、私も計都君に一目惚れしちゃったから」


春華は少し顔が赤くなっていた


「や、やった、じゃなくて、ありがとう!これからもよろしくお願いします」


「こちらこそよろしくね」


春華は笑っていた、窓の外は夕暮れ近くになっており青い空が少し赤みがかかっていた


俺と春華はそのあとに教室から出て正門まで一緒に喋りながら歩いていた


「明日から楽しくなるなぁ」


俺はそう思って口に出した


「ええ、そうね、私も楽しくなりそう、、、私の可愛い玩具になりそうね」


「え?なに?最後聞き取れなかった」


春華の最後の言葉が聞き取れなかったためもう一度聞いたが


「いや、なんでもないわ、さ、帰りましょ」


俺は気になったが別にたいした事ではないと思ったため気にも止めなかった


「じゃ、私は帰り道はこっちだから」


「ああ、じゃあね、また明日」


俺と春華は別々の帰り道を歩いていった


「あ!連絡先を聞くの忘れた、まいっか明日も会うし」


俺は心が幸せな気持ちで帰り道を帰っていった



しかし、この時から人生の全てが狂い始めた..

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