第3話

いつも通りの朝を迎えた

ただ一つ違うことは清々しい気持ちで朝を迎えた事だ、なぜなら俺には入学初日から彼女ができたからだ


『昨日は嬉しくてあまり寝られなかったが春華ちゃんと話していればそんなの吹き飛ぶだろ』


俺はそう思いベッドから出て制服に着替えてリビングに向かった


「おはよー」


俺は二人に朝の挨拶をした


「計都、今日は早いわね」


母さんが料理をしながら聞いてきた


「まぁね」


俺は椅子に座り軽く受け流した、まだ彼女の事を言ってないからだ、むしろ言うつもりは無い


「なんだ?彼女ができたのか?」


親父は少しにやけつつ聞いてきた、親父は時々、冗談でも合ってる事を言ってくるからある意味怖いな


「はは、違うよ、高校が楽しみで早く起きたんだ」


俺は引きつった笑いで誤魔化した


そして家族三人で朝食を済ませた

親父と俺は母さんが作ってくれた弁当を持って家を出た


俺は電車に乗り高校に向かった


『そろそろ来るかな?』


俺は正門前で少しソワソワしながら春華ちゃんを待った


「おはよ〜」


すると春華ちゃんが計都の隣に来て挨拶をしてきた


「うぉっ!びっくりした!いつのまに?」


俺はいきなり現れた春華ちゃんにびっくりした


「あはは、面白い顔」


春華ちゃんは俺の顔を指さして笑っていた


「もう、びっくりした〜、うしろからついてきたみたいな感じだったからびっくりしたよ」


「そんな訳ないじゃない、ちょうど計都君が着いたあとに私もちょうど着いた時だったから驚かせちゃった」


春華ちゃんは笑いを堪えつつ説明した

そしてそのあとに二人で教室に向かった


「計都君は三人家族なの?」


廊下を歩いていると春華ちゃんが話しかけてきた


「ん?ああ、三人だけど、それがどうかしたの?」


「あ、いやいやなんでもない、ただ単に聞いただけ」


「?」


俺は少し疑問に思ったが大したことではないと思ったので気にはしてなかった


そして教室に入り席に座り午前の授業が始まった


«昼休み»


「お昼学食に行こ!」


春華ちゃんが俺の横に来た


「俺、弁当だけど、、、」


「あ、そうなの?いいなぁ、私のお母さんはいつも朝が忙しいからお金しか置いていかないから学食かコンビニなんだよねぇ」


「それは大変だね、いいよ、俺は弁当でいいなら学食で一緒に食べるから」


「え!本当に!ありがとう、急いで行こ混んじゃうから」


春華ちゃんは俺の腕を掴んで小走りに食堂に向かった


«食堂»


「少し混んでるね〜」


春華ちゃんは食堂の出入りで周りを見渡していた、食堂は混んでいたがチラホラ席は空いていた


「あ、あそこ空いてる、わるいけど計都君、先に取っておいて」


「あ、ああ、分かった」


俺は窓の近くにあった二つの席を取った


すると横に一つしかない椅子にスポーツをやってそうな少しガタイのいい男の人が座ってきて本を開いて読み始めた


『うわ、ガタイのいいなぁ、なんのスポーツやってるんだろう、サッカー?野球?』


俺は横目でチラチラ見ていたらいきなり男の人が睨むように目が合った


『やっべ!』


俺は急いで目線を外したが遅かった

しかし、男の人は小さな声で話してきた


「お前、アイツの恋人か?」


「へ?」


男の人は本に目を向けながら俺に聞いてきた


「どっちだ?」


男の人は淡々と質問してきた、俺は戸惑いつつも答えた


「あ、はい、そうですけど貴方は?」


「フッ、なるほどな、気をつけな」


男の人は鼻で笑い椅子から立ち上がり食堂から出ていった


「なんだったんだ?それに"きをつけろ"?どうゆうことだ?」


俺は疑問に思ったが気にしなかった


「ごめん、遅れた」


春華ちゃんが学食を持って歩いてきた


「え?そんな食べるの?」


俺はびっくりした、なぜなら春華ちゃんの持ってきた学食はカレーに生姜焼き定食だったからだ


「うん?私はいつもこのぐらいだよ?」


春華ちゃんは首を傾げつつも学食を食べ始めた


『すごいなぁ』


俺はそんなに食べる春華ちゃんの前で弁当を食べ始めた


そして昼休みが終わり午後の授業も終わった


「部活どこに行くか決めた?」

「いやまだ」

「早く帰ろうぜ」


教室は午後の授業が終わり、部活に行くか帰る人がいた


「俺は帰ろ、部活ははいらないしな」


俺は席を立ち上がった


「んじゃあ、私は計都君が部活にはいらないんだったら私もはいらない」


春華ちゃんがうしろから声をかけてきた


「え?春華ちゃんはスポーツやってたの?それに別に俺に合わせなくてもいいよ」


俺は慌ててうしろを向き春華ちゃんに言った


「私は前に水泳やってたよ、それに別に高校に入ったらもうやらないと決めてたから」


「そうなんだ」


「だから一緒に帰ろ」


「そ、そうだね、正門までだけど、はは」


俺は照れ笑いしながら言った


正門に着いた二人は


「んじゃ、また明日」


俺は春華ちゃんに向かって言った


「じゃあね」


春華ちゃんは微笑みながら手を振ってきた、俺はそれに応える形で手を振り返した


俺は駅に向かう途中にまたあの人に会った


「あ、」


「また会ったな、とゆうより待たせてもらった」


食堂で隣にきたガタイのいい男の人だった


「?」


俺は理解できなかった、なぜならこの男の人とは全く面識がなくそれに初めて会ったのは今日のお昼だからだ


「単刀直入で言う、あの女とは別れろ」


「は?」


男の人から意外な言葉だった


「え?なんでですか?」


俺は聞いた、しかし


「理由は言わん、けど早めに別れることだ、お前の身を考えた上で言ったまでだ」


「??」


俺はそのまま理解ができずに男の人は去っていった


「"別れろ"どうゆうことだ?」


俺は帰り道にその言葉を考えたがよく分からずにその日は過ぎ去っていった

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