32話公園
あるのは屋根付きの石でできたテーブルとイスがある休憩スぺースだけであった。
彼女はこういう人気がない普段来ないようなマニアックな場所が好きなのか。
もちろんここも僕ら以外は人なんていない。
あるのは取り囲まれた木々のざわめきだけだ。
ここは高台にあるが、
以前来た神社に比べれば景色を楽しめそうにない。
なんせ木々に囲めれていて風景なんか見えない。
ここは運動する人が散歩に来るくらいだろう。
そんな人気もない公園なんかにきてどうする気なんだろう。
どぎまぎしそうだ。
いったいこの娘は何を考えているのだろう。
さっぱり見当もつかなかった。
そんなわけで僕は彼女に言われるがまま、
石の椅子に座る。
が、なかなか話を切り出さない彼女。
それからしばらく沈黙が続く。
なんなんだろう。
この緊張感は。
彼女は何か言いたげだった。
だが言葉がうまく出ないようだった。
決心を決めたはずなのに突然迷いが舞い降りて、せめぎ合っている。
そんな感じがした。
もどかしい時間が流れる。
そんな時間を過ごすうちに僕が待っているのか、
彼女が待っているのか、
どちらが待たされているのかよくわからなくなってきた。
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