22話空腹
午後1時すぎを回ったところ。
疲労がピークにさしかかりかけた僕たちは休憩タイムに入った。
食事は近くの洋食屋さんでとった。
そこはカツサンドとカレーライスが有名な店であった。
店内にはカレーの匂いが立ち込ねていた。
ザ、欧風カレーといった深みのある香りだ。
店内はクラシカルな雰囲気を醸し出していた。
決して広くはない店ではあるがそれでも外観から比べると幾分広く感じられた。
お腹の虫が鳴りやまない。
暑くて汗をかいたせいか、
お冷がやたらうまかった。
こんな猛暑になるとは思わなかった。
他の女子はちゃんと心得ていて帽子をもってきてかぶっていた。
僕はまだ今でも後頭部が今でも焼けるように熱い。
僕は危うく意識が遠のくところだった。
これが俗にいう熱中症か日射病の一歩手前というやつか。
飯食い終わったら早速帽子を買いにいこう。
じゃないと自分の命が危うい。
スタミナ消費も激しい。
そんなことより飯はまだかと僕の腹の虫が叫んでいた。
人間は空腹の前では無力であると痛感した。
そもそも人類が進化できたのは農耕を発明し、
安定して満腹状態になることができるようになったからである。
それまでは、獣を狩ることでいっぱいいっぱいだったはずだ。
人間も所詮は動物であり、
食欲、性欲、睡眠欲といった3大欲求の前ではそのほか大勢の動物となんら変わりない。
食欲が満たされなければ、
人が唯一持つことが許された特殊能力である知性すら、
育まれることはないのだから。
人はこのバイオリズムから抜け出すことはできないのだと。
そうこう考えているうちに、頼んだカツカレーが来た。
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