13話敬くん

「え?だめ?」




「ダメに決まってるだろう」



「え?せっかく考えたのに」



「すごいネーミングセンスだね」



「それってほめてくれてるの?」



「んなわけないだろ」


「え!ひどいなあ」


「そうかなあ」


「そうよ」


何がひどいのかよくわからないけれども。



彼女は続けた。



「じゃあ何にする?」


「何が」


「何がじゃないよ。話の流れでわかるでしょ」


「いや・・・あだ名」


「そうだなあ」


そういざ言われると思いつかない。



あだ名なんかつけたことないからすぐに思いつくわけがない。



だいたいあだ名なんてものは、社交性あるコミュニケーション高い人か、目立ちたがり屋だが、その役目を果たす。



僕みたいなコミュニケーション能力が低い人間がそんなたいそうなことができるわけがない。


そうなのだけれども。


今この目の前にそのムリ難題が突きつけられている。






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