12話呼び名
きっともうこの時から僕は彼女に恋をしていたのかもしれない。
「ねえ、とってもきれいでしょ」
「ああ」
「え?それだけ。反応薄っ!」
「え、そんなこと言われてもなあ、元々僕こんなんだし」
感動しているのは本当だった。
ただそれをうまく感情表現できないのだ。
決して感情そのものが乏しいわけではない。
まったく、そういう人間は、こういう時に損をするのだ。
こういう時にどう反応し、どういう言葉を発すればいいか、
その術をあいにく僕は持ち合わせていないのだ。
「そういえば君、放送委員だったんだね」
「え?今更?どんだけひとに興味ないの?」
「ごめん」
「いいよ。許してあげる」
そういって彼女は再びいたずらに微笑んだ。
「それに・・・」
彼女は続けた。
「君って言い方やめようよ。なんか他人行儀だし、上から目線感あるし」
「じゃあなんて呼べばいいんだい」
「そうねえ」
彼女はいったん考えてからこう言った。
「敬くん私の名前覚えている?」
「いきなりなんだ。そのクイズは。さっきの仕返しか」
「いいから」
「さっきまでの下の名前すら覚えていなかったのに、なにげにもう敬くんが浸透しつつあることに疑念を抱きながらも
「桜井美緒だろ」
答えると目を輝かせた。
「あったり。覚えててくれたんだ」
「だれかさんは覚えててくれなかったけど」
チクリとさす。
「ハハハ・・・」
彼女は苦笑いをする。
さすがに少しは効いただろうな。
そう思ったと同時に、彼女は喜怒哀楽の感情表現が豊かであり、こうして感情表現すればいいのかと関心した。
おいおい、僕は人間の感情を理解しようとしているロボットか。
それに感情表現乏しいことを言われたのいつまで気にしているんだ。
まったく僕は小さい男だ。
「ねえ、ミオリンなんてどうかな」
「え、何が」
「私の呼び名よ」
「いや・・・その」
さすがに違和感あるし、なんといっても恥ずかしい。
それに自分でよくその呼び名を考えたなとある意味関心すらする。
おいおい、僕は人間の感情を理解しようとしているロボットか。
それに感情表現乏しいことを言われたのいつまで気にしているんだ。
まったく僕は小さい男だ。
「ねえ、ミオリンなんてどうかな」
「え、何が」
「私の呼び名よ」
「いや・・・その」
さすがに違和感あるし、なんといっても恥ずかしい。
それに自分でよくその呼び名を考えたなとある意味関心すらする。
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