7話ある日の昼下がり

ツンツン。


背中に人差し指でつつく感触が。振り返ると彼女が、笑顔を浮かべた。


こんな笑顔を向けられたことを他の男子が知ったら嫉妬されるだろう。


どうだ。うらやましいだろう。


しかし今はそんなことはともかくというところだ。


「何」


「部活入らないの」


でた。そのひとこと。


いつかだれかがこのことを聞いてくるだろうなとは思ってはいたが、やっぱり彼女だった。


なるべくならこの3年間何もふれられずにこの3年間を過ごしたかったが、そう簡単には世の中うまくはいかないか。


「めんどくさいから」


僕は嘘ついたりとりつくろうとすることなく、正直に言った。




というかそれ以外に理由はあるものならぜひとも教えてほしいものだ。



ということで、正直にいったのだが、、、「嘘、そんなことはない」



君は一体何者なんだっていいたいけれども。






「きっと君は逃げているんだよ」




「はい?」




「人生というものの中で青春時代は終わるの。ほんの一瞬しかないのよ」




「え?何がいいたいの」




彼女は大きくため息をついた。




僕のほうが大きくため息をつきたくなる。




ここまで僕と正反対の考えの人が僕のすぐ後ろの席にいるなんて。




「ねえ、今日ひま?」




「ああ」




まあ、暇といえば暇なのだけれども。





僕は帰宅部なので年中暇人みたいなものなのだけれども。



「じゃあ決まりね。部活が終わるまで待ってるね」


げっ!マジかよ。


「楽しみにしててね」


いったい何を楽しみにして待つんだと思いつつも、このときの僕はそんな彼女のわがままに乗ってみようとも思った。



僕にとってこれはフランス革命以来?の革命だった。


人のわがままを聴こうと思うだなんて。一体僕はどうしてしまったんだろう。


この僕が文句も言わずに人のいうことを聞くだなんて。



自分でも自分自身に驚いている。









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