6話流れ行く日々
それから僕たちはすぐに仲良くなった・・・と言いたいところだがそう簡単ではない。
なんといったって正真正銘の人見知りだからだ。
特に女子に対しての免疫はほとんど持ち合わせていない。あいにくのところ。
ダメな人間まっしぐらの人間が早々変わるわけではないのである。
中学の時と同様、相変わらず僕は帰宅部であった。
僕には部活で汗を流して熱くなる青春物語は似合わないのである。
なぜならば僕は人と接するのが苦手な人間だからだ。
人間というのは、本当にいろんな人間がいるものだ。
僕のように陰のような人間もいれば、後ろの席の彼女のようにクラスの人気者で、男子の羨望も目でみられるような人間もいる。
正直僕が席の後ろの方がいいのではないかと思ったりもする。
でもそんなこといってもすぐに席を変えてくれそうでもなさそうだ。
この様子ではしばらく席替えはなさそうである。席替えのも段階がある。
生徒からはちらほら不平不満があらわれだす。たいがいどんな席であろうと不満はでる。
皆が満足する席なんてない。
目が悪いもしくは勉強好きの優等生は、前の席へ行きたがる。
その逆もしくは僕みたいなタイプは後ろの席へ行きたがる。
寒がりの人間は窓側を。暑がりの人は廊下側を希望する。
だから1ヶ月くらいたったら必然的に席替えの流れになるのだけれども。
ここのクラスはなぜかそういう流れにはならなかった。
不思議と。皆絶妙にこの席が好きなのか。それとも自己主張が苦手なのか。
そんなことを考えている5月初頭のあるけだるい5時間目のこと。
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