とおせんぼ
ポッケには アメ玉一つ
スマホは邪魔なだけ
時間なんかに縛られたくないから 時計もいらない
電車にのって ぼくは止まらない
どんなに 楽しくなくたって ぼくは進むよ
いつもの景色を飛ばして まだ見ぬ光に身を置きたい
だからこの 黄色と黒の 看板も
ぼくには何の 邪魔になる? とおせんぼなんて しないでほしいな
すすむ 進め どんどんすすめ
気の遠くなる距離を歩いて 自分の行くべきところを見つけるんだ
もう日が暮れる 足元はぬかるんでいるけど
脚には
止まらないと そう決めたんだ
前 前……前 前を目指す
でもこの風景 何かを思い出す
きっと君の笑顔?
ずるいじゃないか
だって昨日は真反対
一度思えばあとはずっとまとわりつく
この夜景も
きみと君がいるところのぬくもりを思えば 無景
前へ歩きたいのに 記憶と感覚がとおせんぼ
ひどいじゃないか ここまで来たのに
……帰りたい
電車に揺られて
夜に照らされた アメ玉一つ
結局ぼくは 何を目指せばいいんだろう? どこに行けば正解なのか?
ひょっとすれば 君と二人で――
一人じゃたどり着けないのか
電車にいくら揺られても
そこには
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます