第二回

 この雑誌の名称は「コロニー通信」と言うそうですね。えっ。そう、今回初めてそれも聞いたんですね。

 ところで、前回のですけど、別に何の反応もなかったんです。ノーリアクション。黙殺されてるのかなあ。こんなもんなのかなあ。まあ、抗議が殺到しないだけましですかねぇ。えーと、良かったらお便り下さい。これは編集部からのお願いです。私自身は別にいいんですけどね。

 さて、今回は何しようかなあ。えっ。ああ、まだ決めてないんだけどね。結構忙しいんだよ、私だって。うーん、そうだ! 俳句ってあるよね。あれなら出来そうだ、なんとなく。そう思わないですか、あなたも。じゃ、行きます、俳句。


 牡蠣喰えば 汁が殻から 放流し


 何? これじゃパロディだって? そうかもしれない。良く出来たと思ったのに、残念。


 そうそう、私、カタカナ俳句ってのを思い付いたことがあるんだけど、それを披露させてもらおうかな。


 春

 リクルート ハロー、グッバイ ランドセル


 夏

 ベイサイド ビーチパラソル サンオイル


 秋

 ガスライト トレンチコート ヴァイオリン


 冬

 クリスマス ペチカ、シャンパン プレゼント


 くだらないですかあ。私は少しだけ面白いと思ったんですけどね。


 ところで、実は少し前に、SF短歌というものを何かで見てしまったので、私も真似をしてSF俳句というのをやってみようかな。


 ☆ 火星人 ひねもす グニャリグニャリかな


 えっ。これも軽いもじりだって? うーん、次いってみよう。


 ☆ パラサイト この肉体はくせがない

 ☆ パラサイト あの肉体は重かった


 よしよし、ノッてきたぞ~。


 ☆ コーラスが ひとりでできる ミュータント

 ☆ モノリスを 見下ろしている クレーター

 ☆ 古池や どこかに潜む エレキング

 ☆ 酸性雨 集めて朽ちる 未来都市

 ☆ キッチンで よだれを垂らす エイリアン

 ☆ 閑さや 岩にしみいる プレデター

 ☆ 閑さや 岩にしみいる セミ人間(意味不明)

 ☆ モスラの仔 そこのけそこのけ ギドラが通る


 また、もじりになっちゃったね。

 あ~あ。

 でも、これって川柳かな? 俳句って季語が要るんですよね? 季語がないからSF川柳かな。


 そんなこんなで、いよいよ、最後に真面目な俳句で幕切れとしたいのだが。

 真面目な俳句が私に作れるのだろうか? 何も考えてないのに。まともなことを考えてないのにだ。でもやるのだ!

 それじゃ、まず、

〈春の雨〉               とでも持ってきてみるか。はて、続きは? 今私は部屋の中に居るので、

〈春の雨 アルミサッシの〉      と、こう来るか。

 さて、ここから何かドラマチックあるいは世界が広がっていくかのように締めくくりたいのである。どうするか。まず、思い付いたのは、

〈春の雨 アルミサッシの向こう側〉   うーん、どうなんでしょう。分かるようで分からんな。

 もうひとひねり、

〈春の雨 アルミサッシは閉ざされて〉  似たようなもんだなあ。もうちょっと考え直してみるか。

〈春の雨 コンクリートがむせ返る〉   とか。なんとなく現代の暮らしとかを表現したいんですけどね。あと一歩、

〈春の雨 コンクリートも夢を見る〉

〈春の雨 コンクリートも夢ごこち〉

 こんなもんかな。決定!


《 春の雨

   コンクリートも

        夢心地 》


 もうひとつ、最初のものの完成型、


《 春の雨

   アルミサッシの

        よごれ跡 》


 おそまつさまでした。


                (おわり)


            (第二回 おわり)

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