第4話

 太陽系第三惑星”地球”。

 自然豊か過ぎるくらい豊かなこの星は、なんというか、自然しか無い。ガイドブックにあったようなビルやらパレードやらヒーローやらなんか一切無い。つまり、ハワイなんだろうか。娘について行った先で私が見たのは木で出来た建物ばかりの町だった。それはもうひどい有様だった。崩れていたり、燃えていたり、とんがり耳をした老若男女が泣き叫んでいたり。これでは長旅の疲れを癒やすために食べようと思っていたバーガーやコーヒー、コーラなんかは期待できないな。ちょっぴり残念。トホホ。だが! 何より大好物なものがある。それはそう、悪だ! これは間違いなく悪による犯罪行為。娘が何を言っているのか私にはさっぱりだが、兎に角この集落には悪が居る。悪との戦いは大好きだ。悪を倒すと言うことは良いことをすると言うこと。悪を倒せば正義は守られ秩序も保たれるし、人々も救われる。素晴らしいことばかりだからだ。娘よ、私の悪はどこだ!?

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