第10話 角度90度の女の子
「じゃあ、あかりの仕事は、もう終わり」
あかりは笑う。
「それが違うんだな・・・残念ながら・・・」
「えっ」
「だって、私はまだ、正式なカウンセラーではないもの・・・」
「でも、十分に・・・」
「まだ無理・・・」
てっきり、あかりの事かと思ったが・・・
「良くん、今私がいなくなったら、君は元に戻ってしまうわ」
「そんなことは・・・」
「自信ある?」
「ありません」
「素直でよろしい」
あかりは、悪戯っぽく笑う・・・
「私は、君が自力で殻を破れるまでは、そばにいる。
私がいなくても・・・
それが、君の両親の・・・そして、私の願いでもある・・・」
「それはいつ?」
「それは良くん、君次第だよ・・・」
「僕次第?」
「うん・・・なるべくなら遅くがいいんだけどな・・・」
「遅くって・・・」
あかりは間を置いて答えた・・・
「これ以上は、女の子から言わせないで・・・」
そういうことか・・・
確かにそうだ、男から言う者だ・・・
僕はあかりと暮らすことになるのか・・・
でも、それをうざいとは思わなかった・・・
「わかった・・・好きにしろ・・・あかり・・・いや、ルナ」
「うん、好きにさせてもらうわ。よろしくね、良」
自分と全く同じ相手だと、退屈する。
正反対だと、対立が絶えない・・・
半々がいいだろう・・・
角度90度に位置する相手が・・・
「良くん」
師匠・・・いやじいちゃんから、声をかけれた・・・
「孫をよろしく頼む」
角度90度のふたり 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます