第7話 意外な場所

公園でのランチタイムが終わった。

しばらくは、お昼寝タイムをしようと思っていたのだが・・・


「良さん、出よ」

あかりに即された。

「帰るの?」

あかりは首を横に振る・・・

「行きたいところがあるんだ・・・もうひとつ・・・」

ここでの、追及はしなかった・・・


「わかった、付き合うよ・・・」

「ありがとう、良さん」

そういって、あかりに手をひかれる。


公園を出て、しばらくは無言で歩く・・・

手は、握られている・・・

いわゆる恋人つなぎだが、傍から見ると、恋人に見えるのか・・・

いや、それはないな・・・


身の程は、わきまえている・・・


駅を通り過ぎた・・・

どうやら、徒歩で行けるところだ・・・


(どこだろう・・・)

僕の家の付近は、他に名所らしきものはない・・・


しばらくして、たどり着いたところ・・・

そこは、公民館だった・・・


「ここ?」

あかりに訪ねると、「うん」と返ってきた。

中に入るとそこは、落語が行われていた・・・


「あかり、もしかして・・・」

「うん、そのもしか・・・」

落語を聞きに来たのか・・・


壇上では、テレビで見た事のある落語家が披露している。

客席は、爆笑の渦に包まれている・・・


僕も笑ってしまったが、あかりは真剣だった・・・


そして、演目が全て終わるころには、かなり遅くなっていた。

「そろそろ、帰ろうか?」

あかりに言うと、

「良さん、一緒に来て」と言われた・・・


そして、連れて行かれた場所、

そこは楽屋だった・・・


あかりは、そのまんま進んで行った・・・

(さすがに、まずいのでは・・・)

でも、あかりは平然としていた・・・


そして、ひとつの楽屋のドアをノックした・・・



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