第4話 シェアハウス

会社に着く。


僕の仕事は、デザイン・・・

といっても、広告などのカットを描くのが主な仕事・・・


基本、人と会話をしなくていい・・・

なので、この仕事を選んだ・・・


収入は、ぼちぼち・・・

贅沢さえしなければ、やっていけるレベル・・・


仕事中、あかりの事が気にならない・・・

といえば、ウソになる・・・


「ちゃんと、学校には行ったろうか・・・」

それが頭をよぎる・・・


でも、余計な心配はしないほうが無難だろう・・・

仕事に集中しよう・・・・


仕事を早めに切り上げた・・・

誰からの誘いもない・・・

ありがたい・・・


家につくと、あかりは帰宅しているようだ・・・


「ただいま」

そう言って、ドアを開ける。


愕然とした・・・

家具が大量に入っていた・・・


これは、はんぱない・・・

とても、部屋に収まりきらない・・・


「あっ、良さん、おかえり」

「あかり・・・この量は・・」

「私の引っ越し荷物」

確かに家具を届けてもらうとは言ってた。


でも、これは完全に嫁入りのレベルだ・・・


「あかり」

「何?」

いつまでいる気だ・・・言いかけて、口を閉ざす・・・


「親御さんは、知ってるのか?」

「もちろん、報告していたよ」

「なんて?」

「友達の家に泊めてもらうって・・・」

不味い、同棲になってしまう・・・


その事を口にしようとした瞬間、あかりから口を開いた・・・

「良さん、同棲ではなく、シェアハウスです」


物はいいようだ・・・

もう、追及するのはやめよう・・・

しても無駄だし・・・


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