第114話 四月二日

「あれ?」

 目を覚ました安藤は首を傾げた。


「何か夢を見ていたような……だめだ。思い出せない」

 とても愉快な夢だったような……変な夢だったような……そんな夢を見ていた気がするが、どうしても思い出せない。


「まぁ、思い出せないのは仕方がないか……」


 夢はしょせん夢。いうならば嘘の世界だ。

 大切なのは現実。本当の世界の方。


「もう、誰も死なせたくない」


 安藤は改めて、そう決意する。


―――『最強剣士とツンデレ魔法使い』終―――


 は終わり、現実本当が始まる。 


 これより始まるのは現実本当の物語。


 絶望の物語。

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