お正月特別超短編

第73話 それぞれの新年

~菱谷の場合~


「先輩!」

「菱谷……」

「明けましておめでとうございます。先輩!」

「……ああ、おめでとう。菱谷」

「今年も先輩と私の愛の一年が始まりますね!」

「菱谷、何度も言うけど俺はお前とは……」


「今年も、来年も、再来年もずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、一緒に居ましょうね!」


***


~三島の場合~


「優斗、明けましておめでとう。今年もよろしく」

「明けましておめでとう由香里、今年もよろしくお願いします」

「正月は一緒に家でゆっくり過ごすとしようか」

「そうだね、そうしよう。テレビでも見て過ごそうか」

「私はテレビよりも、優斗を見ていたい」

「俺なんか見ていても、飽きるだろう?」


「飽きないよ。飽きるはずがない。私は悠久に、永久に、永劫に、永遠に優斗を……優斗だけを見ている」


***


~ホーリーの場合~


「ユウト様が居られた世界では、年が明けると『明けましておめでとうございます』と言って新年を称えるのでしたよね?」

「はい、そうです」

「それでは……明けましておめでとうございます。ユウト様」

「明けましておめでとうございます。ホーリーさん」

「ユウト様と一緒に新年を迎えられる。私は世界一、幸福です」

「あははっ。そんな、大袈裟ですよ」

「いいえ、大袈裟ではありません」

「ホーリーさん?」


「私はこの幸福を決して手放しません。絶対に、絶対に、どんなことをしても……」

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