第66話 ブラッディ・ウエディング⑬

 人は誰しもミスをする。


 どんなに頭が良い人間だろうと、どんなに運動神経が優れた人間だろうと、どんなに人を惹き付けるカリスマを持った人間だろうと。

 そして、どんなに優秀な魔法使いであろうと。


 回数の違いはあれど、人は人である限り、必ずミスをする。


 菱谷忍寄、三島由香里、ホーリー・ニグセイヤ。

 この三人は、単に『天才』と呼ぶには、あまりに桁違いな力を持つ、他に類を見ない魔法使いだ。


 魔力の量もさることながら、彼女達は、使用不可能と言われている魔法を難なく使うことが出来き、自分だけのオリジナル魔法を使う。

 やろうと思えば、たった一人で国を亡ぼすことすら可能だ。

 そんな彼女らを、人々は慕い、敬い、崇拝し、畏れ、憎み、そして恐怖する。


 だが、そんな三人も、やはり『人』なのだ。

 どんな魔法を使えたとしても、どんなに優秀だとしても、彼女達は『人』だ。

 そして、人であるが故に、彼女達もミスをする。


 


 そして、


 彼女達がそれぞれしたミス。そして、彼女達がこれからするミスは、安藤の運命を大きく変えることになる。

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