第41話 番外編ショートストーリー『七夕の願い』
七夕の番外編のショートストーリーを書いてみました。
もし、矛盾があってもお気になさらず。
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「そう言えば、今日は七夕だった」
カレンダーを見て、
前に居た世界と同じく、この世界も一月から十二月の十二ヵ月で分けられている。そして、前の世界と同じく一ヵ月は約三十日となっている。
今日は七月七日。前の世界なら七夕となる。
三島は思う。
この世界は前に居た世界と同じ時間では進んではいない。だけど、せっかく今日が七夕だと気付いたのだ。願い事をしても良いだろう。
三島は魔法で紙を切り、短冊を作る。
この世界に笹はないので、代用として笹に似た木を魔法で庭に生やした。
「さて……」
三島はペンを持つ。願い事はこれしかない。
三島は短冊に願いを書き、笹に似た木の枝にそれを吊るした。
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「今日は七夕かぁ」
カレンダーを見て、
前に居た世界と同じく、この世界も一月から十二月の十二ヵ月で分けられている。そして、これも前の世界と同じく一ヵ月は約三十日となっている。
今日は七月七日。前の世界なら七夕となる。
菱谷は思う。
この世界は前の世界と同じ時間では進んではいない。だけど、せっかく今日が七夕だと気付いたのだから、願い事をしても良いだろう。
菱谷は『創造魔法』を使い、何もない空間から短冊を作る。
笹はこの世界にはないので、代わりとして似た木を魔法で庭に生やした。
「よし!」
菱谷はペンを持つ。願い事はこれしかない。
菱谷は短冊に願いを書き、笹に似た木の枝にそれを吊るした。
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「七夕……ですか?」
ホーリー・ニグセイヤは、彼女の従者であるミケルドが言った聞き慣れない単語に首を傾げた。
「はい。聞いた話なのですが、異世界では七月七日に『タンザク』という紙に願い事を書き、それを『ササ』という木に吊るせば、書いた願いが叶うという風習があるのだとか」
「まぁ、それは素敵な風習ですね。私も是非、やってみたいです」
「そうおっしゃられるかと思い、既に用意してあります。『ササ』という木は探しましたが、この世界にはありませんでしたので、似た木を代用として用意しました」
「ミケルド。優秀な従者を持てて、私は幸せです」
ホーリーはミケルドから短冊を受け取る。
「これに願い事を書けば良いのですね」
ホーリーはペンを持つ。願い事はこれしかない。
ホーリーは短冊に願いを書き、笹に似た木の枝にそれを吊るした。
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笹に似た木に吊るされた短冊には、それぞれこう書かれている。
「優斗とずっと一緒に居られますように」
「先輩とずっと一緒に居られますように」
「ユウト様とずっと一緒に居られますように」
三人の少女の願いは奇しくも同じものとなった。
それが、三人の少女の願いだ。
しかし、全員の願いが叶うことはない。
願いを叶えられるのは、一人だけ。
もしくは誰の願いも叶わないかもしれない。
だが、三人の中の誰も『自分の願いが叶わない』とは全く考えていない。
少女達は三人とも信じている。『願いはきっと叶う』と。
そして、少女達は三人とも知っている。『願いは自分で叶えるもの』だと。
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