< = ここまでのあらすじ & 次章予告 = >


(ここまでのあらすじ)



 あの光のせいで未だに目の前が眩んでいる。

 その光で見えた幻覚のせいで頭が痛くて仕方がない。


 ……天使一人。見えたのは実をいうとそれだけじゃない。

 何かわからないが……真っ赤に燃える薄黒の世界が天使の背中にあった。


 澱んでいる。そして蜃気楼のように歪んでいる。

 直視すること、理解も不可能。ノイズのように聞こえる何かも頭を刺激するだけであった。



 ……ラチェットは思う。

 もしや、あの一瞬見えた風景は”一度滅んだという世界の末路”なのではないかと。


 白衣の学者・ステラから、ここ魔法世界クロヌスの歴史について長時間にわたるレクチャーを受けた。


 この世界はかつて別の人類が存在した。しかしその人類は魔族に滅ぼされた。

 直後現れたという精霊。別の次元から現れた未知なる存在の手によって人類は蘇り、清浄なる世界を取り戻す為に精霊と人類は魔族界に戦いを挑んだのだという。



 聞けば聞くほど、ファンタジーな世界である。

 ラチェットは感じる。この世界はとことん自分のいた世界とはかけ離れている。ここまで非科学な話が続くと余計に頭を痛めてしまいそうである。



 ここ最近は悪運が続く。本来ならば王都に到達している頃だったというのに、謎の地震によって余計な道草を食わされたものである。



 ……一度昼寝をすることにしよう。

 考え事をしてるだけでも、吐き気が止まらない。ぐわんと揺れるこの視界の焦点を元に戻す為に、一度体の状態をリセットするため意識を閉じた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(次章予告)


 魔法世界クロヌスは、世界へ舞い降りた精霊たちと、人類の中でも最強と謳われた戦士”精霊騎士団”の活躍によって存在するのです。


 少年はその歴史を知りました。その中で彼は見たのです。

 ……新たなる世界の始まりの一端を。



 突然のハプニングによって塞がれてしまった王都への進路。別の進路を使って王都へと目指すため、彼らはその沿線上に存在する街・ホウコウシティへと到着します。



 しかし、不吉というものはそう簡単には立ち去りません。

 いえ、この場合……”因縁”という言葉が正しいでしょうか。



 次回のお話は、【孤獣たちの白昼夢】です。

 少年少女達よ……今こそ、あの悪夢から本当の意味で逃れる時。あの日、少年の胸にともった覚悟、少女の胸に宿る勇気。そして友の存在。


 今の貴方達は、過去とは違うことを見せつけてやるのです……!!

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