間幕 『YOU THE ROCK』
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=魔法世界歴 1998. 8/9=
何でも屋を始めて1か月近く。
無名の何でも屋に仕事を受け渡すような物好きがいるかと思ったが……意外にもいるもんだ。そういう
仕事内容は『屋敷への荷物の運搬』だそうだ。
屋敷に住んでいるという子供達は
運ぶ荷物はその子供達関係の物資らしい。
少しばかり安月給なのが気になるが初めての仕事だ。
そこは贅沢を言わずに仕事をこなすのがプロへの一歩ってものよ。それに結果次第では増額もあるらしい。
ただ足元を見るようであれば出るとこは出るさ。
そこまでプライド低い男じゃありませんことよ。俺様は。
……さてと、そろそろ屋敷に戻らないとな。
仕事のために荷物の調達に隣町まで来てたのさ。用事も終わったし、とっとと屋敷のほうに戻らないと行けねぇ。仕事はスムーズに、鉄則だぜ?
屋敷の中に入ったことはないがいつかはお邪魔したいものだ。仕事を引き受けてる身なんだからそれくらいは許されるだろ。
……数時間かけて戻ってきたらこれはビックリ。
何と屋敷が大変な事になってるじゃないか。
慌てて中に入ってみるとボロボロになった依頼人がエントランスに出てきやがった。ひどく顔をやられていたもんだ。
話によれば泥棒が入ったらしい。
犯人は仮面をつけた謎の少年とそれにつるんでいる
……ボーナスの少しは出るらしいし。ならば行ってやるさ。
こんな屋敷に泥棒なんて、随分と大胆な真似する奴もいるもんだ。
相棒のバギーと共にその人物とやらを探すことにする。
話によればチンケな武器しかもっていない奴等だったと聞く。魔物が現れそうな森とかには向かっていないと推測した。
となれば平原地帯が続くこの通路が一番可能性高いだろうか。
少しばかり確率の低いくじ引きだが一獲千金のチャンスだ。それくらいの賭け事、乗ってやろうじゃないか。
「待ってろぉ! 何でも屋スカルが悪い子ちゃんを懲らしめてやるぜぇ~!!」
バギーの手荷物の中にはリストバンドが入っている。
古ぼけている。それには自身が気に入っている”名前”が刻まれている。
「行ってくるぜ、母ちゃん!」
俺はバギーと共に、泥棒とやらを叩きのめしに向かったとさ。
-----思いもしなかったぜ。
そんなガキ共と一緒に、今後仕事をすることになるなんてさ----
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