第33話
「俺もお前と同じ気持ちだったよ。急に同じ名前…佐藤真司…が現れて、負けて、追い出されて」
初めて2号が悲しそうな表情を見せた。
「お前は今、学校で最期を迎えたから良かったよ。俺なんか家が最期だった。家族みんなが誰?って顔するんだぜ。さっきのお前がクラスメイトにされたみたいに。その中を佐藤真司…俺を追い出した奴…が俺の家族に迎えられる。そして俺はお前みたいに不審者扱いされ警察に通報される寸前まで追い込まれた。俺が生まれてから今まで一緒に過ごした家族にだぜ。お前も辛いと思うが俺も死にたいぐらい辛かったよ」
もう涙は止まった。その代わり2号の目に薄っすら涙が浮かんでいる。
「だからお前も頑張れよ。お前の分もお前の家族大切にして頑張るからさ」
俺は頷くしかなかった。
「もう俺は家には帰れない。帰らない方がいいってことだよな」
「帰ったら俺と同じ目にあうぞ、もう忘れろ」
「分かった」静かに頷いた。
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