第28話
「学校に行けば分かる」その言葉は何を指すのだろうか。考えても答えが出るわけもなく俺は朝を迎えた。今日はテストがある。ということ以外は普通の日。何事もなく俺は教室のドアを開けた。中にいる連中もいつも通り。
「おはよう」みんな口々いつもの挨拶。
「2号おはよう」ん?俺は1号だぞ。誰か間違えたな。まあ、冗談だろう。
「ちゃんと勉強してきた?出ないとこ勉強してきても仕方ないよ。分かってる?」
副島がやってきた。
「真司は無駄な時間が多いんだよ。だから俺にも勝てない。まあ、それは最初からだけど。1号にも負けるかもね」
えっ?副島?何言ってるの?1号は俺じゃ…。あまりの衝撃に俺は言葉が出なかった。朝の挨拶はともかく、副島はこんな時は冗談は言わない。何で?
占い師のお婆さんの言ってたことってこれ?
俺が2号になったってこと?でも、お婆さんは態勢が。とか人生が。とか言ってたよな?
俺と2号の扱いが逆になっただけなら…そこまでじゃないよな。まだ何かあるのか?
あれこれ考えてるとホームルームの時間になり竹田先生が入ってきた。
「おはようございます。今日からテストですね。まあ、前期の復習テストですから、ちゃんと勉強してた人には簡単かもしれませんね。点数が良くなくても落ち込まず復習をしっかりして次に繋げて下さいね。
新しい佐藤君は、前の学校と範囲が違うかもですが頑張って下さいね。習ってないとこは点数落としても落ち込むことないですよ」
なぜか俺を見て話す竹田先生。
もう俺はテストどころじゃなくなった。
完全に俺と2号がみんなの意識の中で逆になっていた。
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