第9話

放課後、俺は竹田先生に話を聞こうと職員室へ向かった。2号に何か話しかけられるかな?と思ったが2号はクラスの女子に囲まれて雑談をしてたのでサッと教室を出た。職員室のドアを開けると宿題のプリントの山がどの先生の机にも積まれていて、あぁ俺らも大変だったけど先生方も大変だな。一週間後には夏休み前までの範囲を扱った学力テストが控えている。俺らも嫌だけど、それまでにこの目の前の山を処理しないといけないんだよね…普段は宿題ばっか出しやがって鬼だ、最低だ。と思う先生達だか…同情してしまった…。そんな山の中、身体が目印のように一際目立っている竹田先生をすぐに発見し声を掛けた。「おや、佐藤君どうしたのかね?珍しいね、君が職員室に来るなんて。なにかあったかな?」俺は先生に父さんが話していた疑問をぶつけた。勿論、竹田先生自身も同じ疑問を持っているんじゃないかと俺は思っている。「そうですね、佐藤君のお父さんの言う通りと私も思っていますよ。混乱しますよね。だから、私も転校生の佐藤君が私のクラスと聞いた時はビックリしました。大丈夫なんですか?と校長先生にも確認を取りましたよ。校長先生も危惧はされていました。ただ、佐藤君の転校がこの学校に決まった時、佐藤真司君、君と同じクラスで1年…進級までですね、一緒に過ごす。ってのが条件だったみたいです。校長先生じゃなく、もっと上の方が決めたことみたいです。そんな条件自体が前例ないし、校長先生も転校生の佐藤君が問題児だったり、手のかかる子なら断ってもいいかな。とは思われていたみたいですが、問題児どころか成績優秀、運動神経もいい。ずっとじゃなく1年…といっても今は9月ですからね、実際は半年ほど君と同じクラスにいるってだけ。双子と違い見た目は違う訳じゃないですか?だから慣れてしまえば問題ないだろう。と判断されたみたいです。勿論、私達はテストの答案とか名前のみで判断する物に関しては注意を払い続けないといけないですけどね。佐藤君も変なあだ名とかで呼ばれたり比較されたり嫌かもしれないけど今だけだと思うから気にしないようにして下さいね」

「そうだったんですか、俺は別に…今日一日でアイツには敵わないって感じちゃったので。頭も見た目も…だから気にしてないです。もし例えばですが、俺がどっか転校するってなった時にも同じような条件って付けれたりするんですか?」

「さあ、先生もそこまでは…でも基本無理だと思いますよ。余程…あってはダメですが、イジメにあってたとか…身体が病気がちとか…それでももっと違う形の条件になると思うんですよね、それって。だから今回は特例中の特例、しかも謎です。としか先生も、おそらく校長先生に聞いてもそう言われるんじゃないですかね?」

なんでそんな変な力が働く?俺と一緒にするってだけで。と、いうことは2号は以前から俺を知っていた。もしくは2号は知らなくても2号の近辺にいる誰かが俺を知っていたことになる。一体何の為に?…

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