第8話
今日一日、俺は2号をずっと観察しながら授業を受けていた。期始めの授業だからどの授業も今までの復習と新しい課題に入る為の準備のような簡単な内容ばかりだった。まず来る先生は皆、2号の存在に驚き俺と見比べる。その度にクラスメイトから笑いが起きた。ただ2号はピクリとも反応をしない。ただ事が治るのを待っているような感じだった。授業が始まると2号は真面目に授業を受けていた。字も綺麗。親友の副島に匹敵する頭の良さ。そして、何をしても絵になる…観察すればするほど、俺にない物を持っている別の人間だという思いが強くなった。「名前は一緒でもこんなに違うんだ」イケテナイ方の真司。でもいいか…最初から争うとか対抗心もなかったし…ただ2号は俺を意識している。授業中、目を2号に向けると視線が何度かあった。あいつは前の席、明らかに俺を見る為に後ろを向いている。その際に見せる微笑。でも目は笑っていない、冷酷な視線。何を考えているのか分からない。恐怖すら覚えた俺は途中から2号を観察するのを止めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます