第8話

今日一日、俺は2号をずっと観察しながら授業を受けていた。期始めの授業だからどの授業も今までの復習と新しい課題に入る為の準備のような簡単な内容ばかりだった。まず来る先生は皆、2号の存在に驚き俺と見比べる。その度にクラスメイトから笑いが起きた。ただ2号はピクリとも反応をしない。ただ事が治るのを待っているような感じだった。授業が始まると2号は真面目に授業を受けていた。字も綺麗。親友の副島に匹敵する頭の良さ。そして、何をしても絵になる…観察すればするほど、俺にない物を持っている別の人間だという思いが強くなった。「名前は一緒でもこんなに違うんだ」イケテナイ方の真司。でもいいか…最初から争うとか対抗心もなかったし…ただ2号は俺を意識している。授業中、目を2号に向けると視線が何度かあった。あいつは前の席、明らかに俺を見る為に後ろを向いている。その際に見せる微笑。でも目は笑っていない、冷酷な視線。何を考えているのか分からない。恐怖すら覚えた俺は途中から2号を観察するのを止めた。

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