第4話
佐藤真司。俺と同姓同名の人物がドアから入って来た。名前は一緒だか見た目は全く違う。目の前にいる佐藤真司は、何処かのモデル事務所に所属してます。というくらい清楚で整った顔つき。今、クラス中の女子の熱い視線が彼一点に注がれている。
「初めまして、佐藤真司です。よろしくお願いします。父親の転勤の関係で転校してきました。初めての土地で分からないことだらけなので色々と教えて下さい」
嫌味のない気品のある話し方だ。ふと彼の視線が俺に向けられた。俺が佐藤真司だって気付いてるかのように。
「なあ、とりあえず真司が二人になったけどとりあえず佐藤1号と2号か旧佐藤と新佐藤とかでいいよな?1号?」えっ?俺が決めるの?
「転校生の佐藤君、彼、今話しかけられた子が君と同じ名前の佐藤真司君だよ。親近感とか持つのかな?先生は経験ないから分からないけど」
「初めてまして、よろしくお願いします。佐藤同士で挨拶ってなんか変な感じしますね」
「よろしくお願いします。旧佐藤です。そうですね、なんか違和感ありますね」
この時俺は、朝からの寒気と只ならぬ気配を目の前の佐藤から感じた。コイツ、俺を知っている。俺を見る目が違う。同姓同名だからじゃない。何か目的があって転校してきたんじゃないか?そんなことを考えながらホームルームも終わり、早くもクラスの人気者になった2号と戯れるクラスメートをぼんやりと眺めていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます