第32話、敵は萩森城にありー

明智が阿波も制圧し終わり大陸統一が目の前に差し掛かろうとしたその時に起きたのであった。



誰もが天下は明智の手に渡るであろうと誰もがそう考えている時に起きたのである。


「敵は・・・・・敵は萩森城にありー。皆の者、我らの運命、この一戦にあります。必ず、明智様・・・いや、明智を止めます。」



その場にいた者たちは皆、覚悟して明智に対して戦いに向かうのであった。誰もがアーリナが勝つと信じていたのである。それもそのはずである、国にいる国民の八割以上がアーリナ側についたのであるからこれでさらに重臣たちが全員こちらについてきているのであるために負ける未来なんて考えられなかったのである。




アーリナ自身も負ける予想はしておらずただ、明智をこの軍勢を見せてどうやって止めようかと考えていた。



そうして萩森城についたのであった。もちろんのこと城兵も味方につけておりすんなり通り本丸に向かおうとしたその時である。




「よくぞ、ここまで集めてきたな、アーリナ。お前の人望には本当に呆れてしまうほどである・・・・しかし、相手が悪かったな。ほかのやつであったならうまく成功したのであろうが。」



天守閣で明智が言い終えると手をあげて合図をするのであった。その瞬間、二の丸一帯に火災が起きたのである。




流石に自分の居城に火をつけるなんて誰も予想はしておらず混乱したがそれを見て哀れに思ったのか、明智は素直に話し始めたのである。



「さて、私がどうしてあなたたちの行動をわかっていたのかを冥途の土産に説明いたしましょう。まあ、簡単なことですよ、歴史があなたたちの行動を示しているからと言っておきましょう。」



「歴史が・・・示している?」



「そうです、示しているのです。今の私みたいに軍を動かしていると必ずと言っていいほどの反対している者たちが力を合わせて私に反旗を翻すことは誰の目にも明らかなことです。かつて、私がいた世界ではそんな事例は多くありました。」





この言葉でアーリナは完全に明智に行動を予想されていたことに気がつくのである。しかも自分がこちら側につくことも予想していたみたいで・・・アーリナ自身が全く考えていなかった手で来ており動揺してうまく統率がとれずにいた。




まず、この状況で真っ先に動き出したのは江里口信常であった。戦乱の時代を生き抜いた人物だけにあって混乱してもすぐに冷静を取り戻してアーリナに対して



「おい、アーリナさんよ。このままでは全滅するでござるよ、ひとまずは逃げるのが最善かと思うでござるよ。」




アーリナは江里口信常の考え通りこのままでは下手にすれば全滅する恐れがあるためにひとまずは城から離れることにした、幸いなことに火の手が回っていない場所が一か所ありそこから脱出することにした。



だが、それは明智の罠であった。この作戦はかつて三国志で実際にあった作戦を実行しているだけれど、アーリナたちは知る由もないために逃げた先にも



「今だ、逃げてきた反乱軍を始末せよ、ここから生きて逃がすな。」



そう言って外で待ち受けていた明智の部隊に奇襲を受けてアーリナたちは混乱状態になったのである。



元々、戦闘なんて予想しておらず戦うことになった上に自分たちの行動を何回も予測して兵士たちの士気はもうないに等しかった。




これを見てこの状況を打開するために江里口信常とんでもないことをがアーリナに提案をするのであった。



「アーリナ殿、ここは某が足止めいたしますのでここは落ち伸びでくだされ。正直に言って今のままでは全滅いたすだけでござる。」



「あなたはどうするつもりなの、その案だとあなたは・・・まさか。」



「そうでござるな、そうなると思うでござるが・・・これも武士の定め、潔く戦って討ち死にしたいでござる。」



「・・・・わかった、あなたに殿を命じます。ここで最後まで戦ってください・・・本当に申し訳ありません。」



江里口信常はただアーリナに対して礼儀をして敵陣の中を突撃しに行ったのである。もう江里口信常が振り返ることはなかった。



もちろんのことアーリナとソウナは江里口信常の覚悟を無駄にするわけにいかず明智から命がけで逃げ出したのであった。



もちろん明智は追撃しようとしたがここで殿をしている江里口信常によってそれは不可能になってしまうのであった。



「おらおら、死にたい奴はいないかー。この無双の剛の者と呼ばれている江里口信常が相手になるでござる。」



明智はこれは自分自身で倒さないといけないと思い、天守閣から翼を広げて江里口信常の近くに降り立った。そこで明智は江里口信常に対して



「今回の裏切りは完全に予想はしていたが・・・まさか、武士の中の武士であるお前が裏切りに参加するとはそこまでの男であったということであるか。」




「そうでござるな、そこまでの男だと思ってもらっても構わないでござるよ。だが、そんな風に思っても構わないほど今の殿は最低で誰もついて行かないでござるよ。」



「・・・・確かに今のやり方は独裁者に近いことかもしれないが・・だが、今はそれしか道がないのだよ。それが理解できなくても構わない・・・しかし、邪魔をするなら潰すまで・・・裏切者は死刑・・・異論はないな、江里口信常。」



そうして二人の戦いが幕を開けたのである。ここに明智軍、最大武力を持っている同士がぶつかり合うのであった。







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