第24話、決戦、太陽神、アポロン戦

ついに明智と太陽神、アポロンの戦いの火蓋は切って落とされた。



最初はアポロンからの攻撃から始まった。



「我の攻撃を受けるとは光栄に思うがいい、吸血鬼よ。」



それは雨のように降り注ぐ光の矢であった、もちろんさすがの明智もすべて避けきれずに傷を負ってしまったがそれでも何とか致命傷になることだけは避けられて反撃するのであった。



その攻撃は地獄の火炎を弓矢に変えてアポロンと同じようにして攻撃をしたのである。これを見てアポロンは余裕な顔でよけようとしたが



「今だ、アーリナ。時の魔法を使ってあの炎矢を加速させてくれ。」



「なるほどわかりました、それでは加速させますね・・・時よ、我が願いを聞き変化したまえ、ライカス。」



それで速度が変化した炎矢はまるで銃弾のようにアポロンに降り注いだのであった。これには予想外であったアポロンはもろに攻撃を受けるのである。



「お、おのれ、小細工をしおってタダでは済まさんぞ。」



そう言って次に繰り出してきたのは巨大な光の玉であった。明智は当たると一気に体力が持っていかれるなと思い避けたがその玉がなんとアーリナとソウナたちの方に向かったのである。



二人では避けることは難しいと判断した明智はかなりの傷を負うことを覚悟の上に体で受け止めたのであった。



ここで仮に見捨てて勝っても悔いしか残らないと考え明智は不利になるのも覚悟のうえで受けったのである。




「明智様、大丈夫ですか、私たちのために誠に申し訳ございません。」



アーリナは泣きそうな声をしながら謝るのであったが明智は今はそんなことはしなくてもいいと伝えるのであった。



「気にしないでくれと言いたいところだけど今のでかなりやられたな。どうやってあいつを倒そうか。」



「無駄なことだ、これで終わりにしてやろう。」



そこに出ってきたのは先ほどよりも大きい光の玉である。一目して先ほどよりもやばいことがわかった。



どうしたらいいかと明智はあの魔法の弱点が分かった・・・がそれは空に描いた魔方陣さえ消せば消えるが先ほどの攻撃で羽はやられて誰も飛べるものはいなかった。




状況は正直に言って絶望的であったが何とかしようとしていたら向こうはそんなことは待ってくれるはずもなく



「残念だったな、もし飛べるものが居たらわからなかったかもしれないが・・・おしまいにしてやろう。」




明智たちは最期の瞬間を覚悟した、その時であった。空に描かれてあった魔方陣が巨大な火炎で破壊されたのである。アポロンはすぐ様に



「誰だ、我が魔方陣を破壊したのはー。隠れていないで姿を現せー。」




雨雲で隠れていたがついにその姿を戦場にいる誰もが捉えることが出来たのであった。その姿は黒い鱗に覆われており赤い目をしているドラゴンである、そこで明智が誰よりもすぐに



「ブ、ブラック、お前が助けに来てくれたのか、ありがとう。」




ブラックは主人に対して元気に咆哮するのであった。すぐに主人のもとに行きまるで乗ってくれと言わんばかりの行動をしたのである。




「乗って空で戦えと言いたいだな、わかった。アーリナにソウナ、ブラックに乗って空で戦うぞ。」



だが、敵はそんな簡単に許すはずもなくブラックに対して一斉攻撃が始まろうとしていたがそこに



「お前の相手はこの江里口信常だろうがー。明智殿、頑張ってくだされ。ここ地上の戦いはこの江里口信常が引き受けましたぞ・・・さあ、死にたい奴からかかってこいーーー。」





江里口信常はただ一人でアポロンの親衛隊たちを一人で相手にしていた。数は三百はいるにもかかわらず誰よりも勇敢に味方の勝利を信じて、敵一人、明智のもとに寄せ付けないでいた。



明智は江里口信常の活躍・・・思いを無駄にしないためにも決意を固めてアーリナ、ソウナと共にブラックに乗り空に飛び立った。



「アポロン、お前は確かに強い。一人ではお前に勝つことはかなり難しいだろう・・・だが、ここには仲間たちがいる。お前に負ける道理はないぞ。」




「そんなドラゴンを加えたところで俺に勝ち目にあると思ったのかー。」



「・・・今だ、ブラック、アイツに向かって突撃してくれ。」



それを了解したかのよう咆哮をあげて、ブラックは神をいるための矢になったかのようにアポロンに向かって突撃した。



もちろんのことアポロンは撃ち落とそうとしたがこれをアーリナが防いだのであった。



「時を操れる魔女だと思わないでくださいね、私は時の魔女と言われておりますがほかにもできたうえで一番得意なのが時の魔法であり・・・防御魔法もかなり得な方ですよ、太陽神。」



それでもアポロンは余裕の構えを崩さなかった、普通なら少しばかり動揺するかもしれないが絶対に大丈夫と言わせるだけの理由がある。



それはアポロンの周りには見えない強力な魔法結界があり一撃で倒れることはまずはないと考え反撃して一気に終わらせようとしたが



「そんな結界は私が無力化する・・・お父さんはこの後の一撃にすべて集中して。」



ここでなんとアポロンの魔法結界がソウナの手で無力化されてしまったのである。予想外の出来事でわずか一瞬であるが混乱したのである。



しかし、このアポロンが混乱した、一瞬を明智は逃すはずもなく攻撃をしたのである。



仲間たちの想いやここまでしれくれた者たちに裏切らないためにもすべての力をこの一撃に託したのである。



「蒼い月よ・・・今、未来を照らす月夜になれ、月桜。」



そう言って蒼い桜がブラックにまとったかのようしながら咲き誇っていた。



その咲き誇った蒼い桜はアポロンに当たり今度はアポロンの周りに移ったのである。ブラックはアポロンを貫通したのであった。




アポロンはもうすでにこれだけでもかなりの重傷であるがさらにここで貫通した瞬間、空高く飛んだ、明智がアポロンの真上の上空から落ちていきながらに魔法を唱えながら刀を出し




「ついでにこれもおまけだ、ヘルズ・アグニソード。」



斬りつけた一撃でアポロンは蒼い桜となり空で舞い散った。



明智は落ちていたがアーリナが時魔法で落ちる速さを遅めてブラックに回収してもらってから空彼方から



「敵総大将、太陽神、アポロン。明智雅が討ち取ったりーー。この戦い、我らの勝ちぞー。」



それを聞いた明智軍は歓喜の声をあげた。誰もが求めていた奇跡が起きたのであった。そうして雨も上がり晴れて見えた空は



月夜が照らしていたのであった。
































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る