第23話、コウモリの牙、今、天を切り裂く

明智たちは今まで陣を引いていた場所から撤退したかのように見せかけながら敵を誘導したのである。まもなく土砂崩れが起きるためにできる限り多くの敵兵を無力化させるために・・・何よりソウナは人が死ぬことは嫌いであり殺さないで済む方法がこれしかないために流石の明智も必死であった。




だが、必死しているせいか事はうまく運べたのである。そしてうまく谷間の間に敵軍が到着した瞬間、前後の入り口が土砂崩れが発生したのである。もちろんすべてが助かったというわけではないがそれでもソウナが見ていた夢よりかはマシな結果になったはずだと思い精鋭一千は孤立した敵本隊をたたきに向かった。




この事態はアポロンの耳にも届き味方は何をしているだと思っていたら兵士の一人がアポロンに伝令をするのであった。



「報告します、敵、少数がこちらに向かって突撃をしました。数は一千ですが強者ぞろいで苦戦しております。どうか前線部隊の援護をお願いいたします。」



「わずか一千の兵に苦戦するのか、貴様らは。」



そう言ったもの戦況はたしかに押されていたのである。このままではほかの神々に舐められてしまうと考え自ら明智たちを倒すことにしたのである。




一方、明智軍はわずかの一千であったが獅子奮闘の活躍をしていた。相手はいくら本隊しかいないと言え五千近くはいたのに押していたのであった。明智はその中でも人際目立つ男がいたのである。この世界では戦場に男がいることは珍しい上にかなりの強者であることが活躍でわかった。その者の名前を誰か知っている者はいないであろうかと思っていたら榊原が



「実はあの者は妖狐族と龍人のハーフでありまして、名は・・・たしか江里口信常と申しておりましたがどこの者かわかりますか、殿。実はあの者も記憶はほとんどないみたいでよくわからないのでござるよ。」




明智はもちろんのことその人物は知っていた。あの四天王が五人いることで有名な竜造寺の家臣である。詳しいことは榊原に説明している暇はないので後ですると言って戦場に集中するのであった。




だが、歴史で無双の剛の者と言われただけにあってすごい勢いで敵兵を倒し続けていった。しかもかつての世界ではモテそうもなかった顔だがこの世界だから物凄いモテるのか味方女性兵士の士気はかなりの勢いで上がっていき天まで貫くことが出来そうな勢いである。



今回の武功では一番になりそうな勢いであった。もし戦いが終わったら親衛隊させようと思った。それの状況を打開するべくついに敵総大将、太陽神、アポロンが姿を見せたのである。




「よくぞ、この少数でここまで来た、褒美に死をやろう。このアポロン自らが貴様らを殺すのだ。名誉に思うがいい。」



「それは丁重にお断りさせていただきます、代わりにあなたの最期を差し上げますのでどうか勘弁していただけないでしょうか、太陽神さん。」



「よく言うわ、太陽の下に暮らせない、下等の中の下等生物が・・・。」



「すみません、いつもできる限り太陽の下で日向ぼっこしているのですか。そんなに太陽は苦手ではないです。どちらかと言うとじめじめしている場所は苦手ですかね。」



「「「それは吸血鬼を完全に否定しています。」」」




明智軍、全軍一斉にツッコミを入れたのであった。ある意味統率がとれている証拠であったが明智はどうしてそんなことを言うのと返すのである。その中でソウナが前に出てきたのった。



「久しぶりですね、アポロン。あなたに対する恨みは忘れたことはない、覚悟しろ。」



「そんな簡単にできると思いですかな、ソウナちゃん。ここには精鋭部隊も引き連れてきている。手始めにこの者から相手にしてあげろ。」



そう言ってアポロンの命令に従い敵の精鋭部隊が一斉に攻撃を開始を始めた、数は恐らくだが三百ぐらいはいるであろうと明智たちは戦闘態勢をしていたら敵精鋭たちの前に江里口信常が立ちふさがって叫ぶのであった。



「お前たちみたいな雑魚みたいな相手はこの江里口信常を一人で十分だー。命がいらないやつはかかってこいー。」




江里口信常は大槍で敵兵たちを薙ぎ払ったのである。これの豪快さには相手もそうだが味方も驚くばかりであった。明智は流石、島津家久が家臣にしたかっただけはあるなと思いながら明智並びにアーリナ、ソウナはアポロンだけを集中することが出来たのである。さらにほかの敵部隊は榊原率いる軍で足止めをしていたのであった。



「感謝するぞ、信常殿。あなたの活躍は無駄にしない・・・さて、それでは勝負を始めましょうか、太陽神さん。」



「調子に乗るなよ、今までの神と比べると痛い目にあうぞ、下等生物。」



「油断なんてしていませんよ、だから今までは明智様、一人で済ましておりましたが今回は三人で挑むじゃないですか。確実にあなたを殺すためにね。時の魔女、アーリナ、参ります。」



「こ、この下等生物たちがーーー、俺様が直々に引導を渡してやるー。そして次の時代の主は俺にならなければならないだー。」



「アーリナ、ソウナ。未来を決める決戦は今だ、これまで蓄えてきたすべての力を出し切るぞ・・・勝負だ、太陽神。そしてお前に言いたいことがある、時代を作るのはお前じゃない・・・未来の子供たちだー。」




今、田舎でスローライフスタイル、暮らしていたコウモリが天界でも最強クラスに入ると言われている太陽神、アポロンに挑むのであった。












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