第20話、聞こえ始めた戦の足音

屋敷に戻って明智はアーリナに客間に待ってくれるようにお願いしたのであった。


清美はこれからも用事があるから呼んで仕事に戻ると言うのであった。(実際は同一人物であるが……)



もちろんアーリナに清美と明智が同一人物だと知られないためにである、それから明智は地下に向かい元の体の方に取り替えて客間に戻るのであった。慣れると本当に着替えをするような感覚である。



さて、どのように入ろうかなと考えていた明智がドアの隙間からこっそりと覗いたら中ではソウナが暇だから遊んでお姉ちゃんと言ってアーリナは喜んで了解して遊んであげていたのである。



正直に言ってソウナがここまで心を開くのは明智以外は誰もいなかったがまさかここまでできるともうアーリナが面倒を見てもらった方が良いじゃないかと思うぐらいであった。やはり元から女性の方が気に入られやすいのかなと思いながら明智はそう思うのである。



そんなに楽しんでいる状況だから少しばかり入りずらかったが入るのである。


「お待たせして申し訳なかった、私が明智雅である。君のことは清美から聞いている、うちに仕えたいと言うことだったね。こちらもあんまり人材がいないから・・・」


明智が言葉を言い切る前にアーリナは顔を真っ赤にしながら少しばかり慌てながら返すのであった。


「は、はい。私はあなたに仕えたくてここまで来ました。どうか、未熟なところもありますが使ってください。こ、こう見えて魔法は才能はあると自信があります。ですのでどうか。」



明智はこの人は男性とあんまり関わりがないから緊張でもしているのかな?そう考えていたがソウナは既に答えを見つけていたのであった。



このお姉ちゃん、お父さんに一目惚れしたんだとソウナでもわかったことだが……



肝心の明智は気がつけなかったのである。そうもしている間に明智は話を始めるのであった。


「よく考えたらアーリナは泊まる場所はあるの?アーリナが別に私のことを気にしないならこの屋敷にでも住む。」



この言葉を聞いてこのあとの展開を想像してアーリナの思考停止してしまったのである。もちろんのこと明智は欠片もそんな煩悩てきなことは考えていなかったが完全にアーリナはそうとらえられてしまったのである。



完全に予想外の行動で明智は慌てるのであるがソウナはお父さんは本当に鈍感だなと思うのであった。


そうしながもソウナの方でも思うのである。この人なら…………お父さんを任してもいいかなと考えるソウナであった。


屋敷で少しばかり問題もあるが楽しそうに話しているなか一方、土居たちは最近、明智に対する不満とアーリナの怒りで話し合っていた。相手は族長にその娘のリアーナの三人であった。



「あの魔女に負けたのはどうも納得いかないでござる。さらに最近では新人ばかり使う大将も気に入らないでござる。」



「龍人のあなたと一緒の気持ちはなるのは本来なら嫌なところだけど今回ばかりは気が合いそうね。こうもしているうちに我々の居場所が失ってしまうかもしれないどうにかしたいけれど・・・リアーナ、いい考えはないかしら。」



「正直に言っていい考えはありませんが明智さんがそう簡単に彼女を召し抱えるでしょうか。異なる異世界から来たものを・・・。」



「普通なら登用しないでしょうが・・・あのソウナをうまく扱ってるのを見て明智は必ず登用するわ、そしてその才能でどんどん私たちの居場所を奪っていくのよ。全員力を合わせてと言いたいけれど見事に返り討ちしたし・・・。」



そんな時であった。どこからか手紙みたいなものが空から降ってきたのである。近くに鳥もいたことから恐らく誰かが土居たちに手紙をよこしたのであろうと考えて内容を確認するのであった。その内容を見て土居は



「族長にリアーナ殿、これは最高の手紙でござるよ。これが本当なら我々の未来は明るいでござるよ。」



その後、内容を聞いて族長もなるほどと笑顔に納得し一人は静かに納得するのであった。




それから半年間は何事もなく平和が続いていたが・・・夏も終わりに近づいていた時に北伊予中心に生息している妖狐たちが神々の支配から助けてほしいとお願いしてきたのである。



もちろんこれを聞いた明智はすぐに出陣の準備を始めるのであった。明智は近いうちに来るであろうと考えていたことが意外にも早いことに少しばかり大丈夫であろうかと考えたが今はそんなことを考えている時ではないと自分に言い聞かせ準備をするのであった。



もし妖狐たちを無視したら一生、伊予は統一できないと考えていた明智は勝算が薄くても戦いしか道はなかったのである。時を過ぎるほど神々がまた襲来する可能性が高くなる・・・そうなれば今よりも勝算が薄い戦になるかもしれないと明智は考えており選んだ道は今を選んだのであった。


ほかの人物もいろんな思いを抱きながら出陣の準備をするのであった。一人は伊予統一するために・・・またある人は好きな人のために・・・ほかは己の種族のために・・・いろんな思いや考えが集まり今、この世界で初めて合戦と言うべき大きな戦いが始まろうとしていたのである。


後に伊予の戦いと呼ばれる出来事であり内容は


数では圧倒的に不利な状況であった。明智軍は三千これに妖狐たちが加わっても五千ぐらいが正直に限界である。これに対して神々はこの機会に明智雅を亡き者にしようと考え、さらにかつて殺されたロキの敵討ちも果たすために二万以上の兵と大将は吸血鬼が最も苦手である太陽神、アポロンであった。



それでも明智はひるみはしなかった、伊予の国、統一のために自分のスローライフのために何より未来の子供たちのために負けるわけにはいかなった。覚悟を背負い今、明智は戦場に向かうのであった。





今、コウモリ牙が太陽を切り裂こうとしていた。







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