第19話、時の魔女、明智軍に手合わせ

明智はとりあえず最初にしたいことをしてから彼女のお願いを聞くことにしたのであった。その前にしておかないといけないことは仲間たちに指示をすることである。時の魔女、アーリナは興味があるみたいで一緒についてくることになった。



明智はなんか嫌な予感がするなと思いつつ案内をするのであった。その予感はもちろんのこと的中するのである。いざ、その場についてみるとこれから大仕事をするために榊原、リアーナ、土居に族長まで集まっていた。



みんなを集める手間は省けたが時の魔女はあんまり関心しない様子であった。そこで時の魔女、アーリナはとんでもないことを言い出すのであった。



「私はこれから明智雅様の配下に加えてもらおうと訊ねてきた、アーリナといいます。いきなりですが幹部の人たちはいらっしゃいますか。私と勝負して勝ちましたらぜひとも推薦していただきたいのですがどうかお願いいたします。」



アーリナは礼儀正しくそうお願いしたらリアーナがでは私が相手にいたしますと言って勝負するのであったがあっという間にリアーナは負けてしまうのであった。それを見たアーリナは



「すみません、幹部の人でお願いしたのですが・・・今はいないのですが、そうなると残っている強者は・・・。」



怒らせようとしないつもりであろうがこれで舐められていることに怒った族長に土居はなら次は俺たちが相手にすると言ったのである。



二人とも種族の族長をしておりかなりの実力者たちである。明智はそんな簡単に負けることはないであろうと考えていたが予想とははずれ最初のリアーナと同じようにあっという間に負けるのであった。



しかも二人で一斉に攻撃始めたのに・・と思っていると今度は負けを認めたくないのか土居に族長、リアーナと共に近くにいた付き従いの兵士たちが一斉に攻撃をするのであった。



流石に大人げないと思い止めに入ろうとしたが囲まれているはずのアーリナは冷静であり何か唱えたかと思ったら一気に周りの兵たちがいろんな魔法で倒されたのである。



土居たちは何が起きたのかは理解できなかった。こんな行動ばかりしてくるものですから少しばかりアーリナも



「いきなり一斉攻撃するなんて非道じゃないですか、私はただ一対一の勝負をお願いしたのに・・・それでも国を守っている軍隊ですか。これでは軍隊の信用性がいずれ無くなってしまいますよ。でも、統率は良かったと思いますよ、これほどの人数を一気に動かせてあんまり無駄がない動きは素晴らしかったと思います。」



だが、負けているせいかいくら褒められていても土居たちは怒りだけが溢れてくるのであった。それを見た榊原が言い出すのであった。



「アーリナ殿、先ほどの軍隊の誉め言葉はうれしく、それと大人げない軍隊の行動に謝罪いたすでござる。」



「別にそこまで怒っていませんよ。それにあなたは一斉攻撃に加わっていませんでしたし・・・もしかして幹部の者ですか。」



「如何にもそれがしはまだ新人の侍大将でござるが榊原康政と申すでござる。出来ることでしたら手合わせをお願いしてもよろしいでござるか。」


アーリナはもちろん構いませんと言い勝負が始まったのである。流石に先ほどのように一瞬で勝負は終わらなかった。



榊原は先ほどの戦いをできる限り観察していたのである。それに待っている間にソウナと話してありアーリナとの出合い話を聞いてた、そこから考えて彼女がしたことは多くの魔法を放つことだがあんな短時間で魔法を出すのは不可能に近くありえないが・・・もし、時間を止めることが出来るなら話は変わってくる。それにソウナからすると時の魔女と言っていたから恐らくあっているであろう。




そうなると取れる行動は少ないが・・・相手はこちらの出方を待っているので恐らく同時に魔法を使うことはできないのであろう。時を止めるだけでも恐ろしいがもしそれ以外にも瞬間的にほかの魔法が使うことが出来たら万が一にも勝ち目はなかったであろう。



しかし、使えないとすれば勝ち目はかなり薄いがあると榊原はそう思っていた。だが、それはあくまで相手が先に行動してくればの話であり、もし攻撃をしてこなければ何にも対策はなく負けは不可避状態であった。



そのために勝負は静かにただお互いに相手の出方を待っているのであったが先に動き出したのはアーリナである。



得な凍魔法攻撃で榊原を囲んで放ったのである。もちろんこれは手合わせで殺す気はないがそれでも怪我は必ずしてしまうであろう攻撃であった・・・が榊原は己の十文字槍で氷を貫いて一直線にアーリナに向かって行くのであった。



リアーナは時魔法が間に合わなあったがそれでも避けることが出来、凍魔法で反撃したのであるがこの状況、榊原は計算していたのである。氷玉に吹き飛ばされた勢いでりアーリナが避けたはずの十文字槍の横槍にアーリナは攻撃が当たるのであった。



この時、初めてアーリナが攻撃を受けて主に先ほど一斉攻撃でやられた者たちは歓喜の声をあげたのである。



一方、アーリナは自分よりも弱いと正直見ていた者に一矢報いられて榊原に対して感心するのであった。実は十文字槍に凍魔法が宿っており自分の凍魔法をまさか、凍魔法で対応してくる上にこの作戦である。



すでに榊原はやられるであろうと読んでいたのである。それも相手の実力をうまく利用した作戦、まさしく榊原は幹部にふさわしい人物だとアーリナはそう思うのであった。



その後、榊原はすぐに



「すみません、某の負けでござる。流石、アーリナ殿でござるな。伊達に一斉攻撃を返り討ちしただけはあるでござるよ。これ以上、勝負したところで勝敗は火を見るより明らかでござる。」



負けを認めて手合わせは終わったのであるがここでもアーリナは榊原を評価するのであった。戦いの引き際を知っていると感じたのである。ここまでくるといずれは名前が後世まで残ってくる人物に成長するのではないかと感じるアーリナであった。




それを見ていたソウナは今度は私の番ーと言って飛び出したが



「なら、ソウナちゃんには私の数少ない奥義・・・くすぐり攻撃。」



「お、お姉ちゃん・・・ずるいよ。」



正直に言って他人から見れば世話好きな姉さんと姉好きな妹みたいな感じであった。明智はなんだか言ってアーリナは年下の扱いがうまいなと思いながらしているうちにアーリナのくすぐり攻撃にソウナがあっという間に負けたのである。



明智はアーリナの実力も分かり良かったと思っていたらここでとんでもないことを言われてしまった。



「清美さん・・・・後日で構いませんから私と一対一の勝負をしていただけないでしょうか。どうしてもこの中では最強であると感じているあなたと戦ってみたいのです。」



明智はこれは断れないなと思い承諾するのであった。こうして一応、仲間たちには指示をして現場もある程度手伝いを終えてから屋敷に戻るのであった。その間にもアーリナとソウナはすでに仲良しになっていた。



ある意味、アーリナが来てくれてよかったなと思う明智であった。










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