第16話、国造りその①(道、内政編)

残党をまとめていた榊原は明智の変わり果てた姿をみて驚きを隠せないでいた。その証拠に



「なんと美しい、天女のようなあなたは誰でござるか。某は・・・。」



「あの・・・その、期待して悪いけど明智雅だ。榊原さん・・・まあ、確かに声をかけたくなる気持ちはわかりますけれど・・・。」



「それはないでござるよーーーー。殿ーーーー。」



余りにもショックであったのか真っ白に変わり果てた榊原ができたのであった。明智自身もまあ、確かにきれいで美して一目惚れした相手が同性だったらかなりショックだよねと心の中でそう思うのである。




明智はとりあえず自分に付き従いたい残党と一緒に帰るのであった。もちろん、真っ白に燃え尽きた榊原と泣きつかれてしまった少女を抱えて。明智はここは普通なら男がやる場面でしょうと心の中でそう思ったが・・・自分も一応、男だった。(注意、一応、体は女性です。)




こうしていろんなことがあったが結果的に戦力を増やして敵となる神々の戦力を減らしたと考えればよかったというべきことかもしれないがそれだけではまだこの伊予は神々に対抗できないと考え明智は本気でこの伊予に国造りを開始するのであった。



まず、最初にすることは新しく仲間になった龍人や人などの街づくりである。昔、日本でも習ったが衣、食、住はもっとも生きていくために必要なことだ。幸いなことにそのうち衣と食は確保できている状況、なら残りの住を何とかする必要があった。まあ、正直に言って空いている土地が多く別に問題はなかった。



次に作り始めたのは道であった。道はほかの街につなげて移動しやすくするため、物資も輸送しやすくさらに迷いにくくさせるために作る必要がある。多くの新しく加わった龍人と明智自身で作業をした。




明智は作業を効率よくさせるために草を主食にしている魔物たちを連れてきて指定した場所を食べさせて道の建設を進めるのであった。これは明智が昔から生物観察していてその羊みたいな魔物の生態系を知っているためにできたことである。



それにその羊みたいな魔物はかつていた世界よりも良い羊毛が取れて加工もしやすく質もいい。明智は一つの作業で二つの利益を得るのであった。まさに一石二鳥である。



もちろん、道だけでは寂しいので街路樹も置いたのである。これは道の休憩とか雨が降り始めたら雨宿りするためにも必要な物であった。それにあったほうが何となくであるが見栄えが良く見えたから。




ついでに日本で最初に街路樹を作り出した人物は意外なことに織田信長である。それ以外にも今では常識な道路によくある看板というより何キロ先に○○があると最初に作り出したのも信長である。



ほかにも信長が初めて作ったものもあるがそれはまた後日として明智は歴史が詳しく街路樹の配置の仕方も覚えていた。そして完成したのがどこかの時代劇に出てきそうな感じになった。たとえるなら江戸時代の水戸○○とか意外と近いかもしれない。




明智はさらに国らしくするためにとあることを開始するのである。



その作業は新しく介入した少女、ソウナと榊原たちと一緒に行うのであった。その作業は農業の改革であった。まず、最初に明智が計画したことは水車を作ることからである。



これは田んぼに水を送り込むためにとこの回る力でいろんな作業をするために必要だと感じ製作に取り掛かった。もちろん、明智はこんなこともしながらソウナの面倒を見てあげていたのであった。もちろん、女性の姿で・・・



やはりと言うべきなのか子供は女性ほうが心が開きやすいというかなつきやすいと言うべきなのかこの姿だとかなり甘えてくるのであった。明智もできる限り少女の願いを叶えさせてあげたいと思いこの姿で暮らしていた。



そのおかげでお母さんと呼ばれているがこんな可愛い娘ならむしろうれしかった、心配なことは自分が間違いないように娘、ソウナを育て上げることが出来るのかと悩みの種はそちらの方にあった。


ついでに女性の姿の時の名前は清美と名乗っている。ソウナや榊原は正体がわかっているのであんまり意味はないができる限り女性の姿の時は清美と呼んでほしいとお願いするのであった。



なぜ、そんなことをお願いする理由があった。この姿の正体が明智だと知っている者はごくわずかである。ソウナ、榊原にわずかの龍人たちだけであった。土居やリアーナ、エルフたちには一切話していなかったのである。その理由としてこの姿が明智だと知らなければいざと言う時に役に立つかもしれないと思ったから。



明智はでもそのいざと言う時が来ないことを祈るばかりであった。いくら仲が良くても戦国時代を生きた武将である。もしかしたらこちらが不利な状況になれば裏切ってしまうかもしれない。昔の生きた人物である、種族や仲間のために裏切る可能性は大いにある。明智は頭ではわかっているがそれでも裏切った仲間たちとは戦いたくないなと心の中ではそう思うのであった。



そんなことも考えているとソウナが心配そうにしながら



「お母さん、大丈夫。元気なさそう・・・。」



「心配してごめんね。大丈夫少しばかり考え事をしていただけよ。いつもお母さんは一人で考え込む癖があるから・・・そんなに暗いことじゃないわ。そうね、今日の夕食のことを考えていたかしら。」



「もう、お母さん。今はみんなで作業しているから考え事はダメ。」



ソウナに心配されないように本当に自分が考えそうなことで嘘を言って誤魔化し笑ってソウナに対して謝るのであった。




そんなこともしているうちに水車はその日のうちにだいぶ出来上がり一週間もしないうちに数個も水車が出来上がったのである。それを見た明智はこれで食料には困ることは余程の災害が来なければ大丈夫であろうと考え少しばかり早い気もするがいつ戦いが始まってもいいように・・・そう考えた明智は近いうちに軍備の準備も始まるのであった。





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