第14話、敵兵を救助せよ。

会談は先程の出来事もあり明智たちに有利な条件で会談を終えたのである。明智はリアーナに軽く話をしてから屋敷に帰ることにした。



そんな会話も終わり、明智はたまには転移魔法で帰るのではなく歩いて帰ろうかなと考えたのであった。



最近、忙しいことが有りすぎていろんなことをするために歩くことをしていなかったので体を動かすことも大切なことだなと思い、土居と二人で歩いて帰ることにした。




そんな時である、森のところから物動きや声が聞こえたのである。明智は気になり見てみることにした。そこには先ほど逃げていた神の軍勢の残党がいたのであったがもう戦意はなくそれどころか怪我もしている者もいて大変な状況になっているのにさすがの馬鹿の明智でも理解したのである。




土居は構っていないで帰ろうと言おうとしたがその前に明智は行動を開始していたのであった。まず、明智は残党兵たちに声をかけるのである。



「すみません、大丈夫ですか。もし、大けがしている者がいましたら私に見せてください。薬もそれなりに持ってきております。先ほどは恐怖を与えてしまったかもしれませんが私は子供やあまりにも理不尽なことをしなければ私はあなたたちに危害を加えようとしません。」



残党兵たちは今の言葉を信じようとはしなかったがただどうすることもできないのも真実でありただ運命に任せるだけであった。




ついでに一番この行動に驚いたのは土居である。もちろんすぐにやめさせようとしたがそうしたら明智がこう返したのであった。



「土居さん、あなたは目の前に困っている人がいたら見殺しするのですか。それでも日の本にいた武士ですか。そんな言葉を言って武士として恥ずかしいと思わないのですか。かつて、日の本に自分の軍よりも倍以上の敵兵を救った男の中の男がいる中、土居さんは五十人ぐらいの残党兵をすべて見殺ししろと言うのですか。」




土居は正直に言って目の前の明智を殺したくなるほど怒っていた。その原因はほかでもないそれでも武士ですかと言う言葉である。土居は元々名が知れ渡っていた武士であり誇りも高ったために今の言葉はかつてないほど怒りがわいたのであった。だが、この明智にいくら真正面から戦っても勝てないのは土居自身、よくわかっていることである。そしていくら龍人を集めても勝てないのもまた真実でありただ従うしかなかった。




もちろん明智は今の言葉でそこまで怒っていることは知る由もなくただ目の前に困っている人を必死に助けることで精いっぱいであった。明智の行動もあったおかげでだいぶ残党兵の生気が戻ってきたのである。明智は次は飯だなと思い、転移魔法で一瞬で家に帰りそして具材や料理道具をそろえてまた戻ってくるのであった。




残党兵たちはどうしてここまで自分たちを助けてくれる理由が理解できないでいた。もちろん残党兵だけではなく土居も理解できない、むしろこの場に理解できたものはいなかった。



そうもしている間にも明智は大なべをたくさん使い食事の用意をしていた。内容は粥に小魚、山菜を入れて味付けは味噌にして完成したのであった。もちろん器もいずれ使う時が来るであろうとあらかじめに明智が作っていたのである。だが、本来の理由は祭りで使うつもりだったのだが・・・・




だが、残党兵たちはここまで優しくしてくれなおかつ生まれてここまでおいしいと思える食べ物を食べれて泣きだす兵士もいた。明智はそれから残党兵士たちに会話をするのであった。



それはほかのところでも同じような状況に置かれている場所があると言うものであった、明智はそれを聞いたとたんに周りにを探し始めるのであった。もちろん、土居はもう大将の好きにしてください、某も用事がありますので先に帰りますと言って帰ってしまったのである。だが、それでも明智は困っている人を救いたいために一人でも続けるのであった。



そうもして多くの残党兵士たちを助け出すのであった。そんな時にある敵竜人が必死にこちらに向かおうとしていたがその前に川があり体力もなくなっており流されてしまう瞬間に吸血鬼のはずなのに川に飛び込んだのである。



「そこの龍人、頑張れ、あと少しだ。こんなところで人生を終えるな。私も頑張るからお前も頑張れ。」



敵のはずなのに明智は必死に敵龍人を救う姿を見て相手から小さいこ言葉、それも消えてしまいそうなぐらいであるが



「ありがとう。」



そう言われて明智はさらにやる気を出すのである。その後、丸一日かけてなんとか取り残されていた残党兵たちを救うのであった。そしてその中でも気になった人たちに声をかけてみるのである。




人数は二人いて一人は先ほど川から救い出した龍人ともう一人はまだ十歳もいかなないほどの少女であった。気になる理由は一人目は何かほかの者とは違う力を感じていた。そして二人目である少女はまだ子供なのに戦場に来ていることで気になり話をしてみることにした。



そこから聞かされたものは驚きとあまりにも悲惨な話だということに明智は知る由もなかった。



さらに今回の行動で明智と土居の間に溝ができてしまったことも明智は気がついていなかったののである。それが将来どんな影響に与えるかも・・・知らずに。




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