第12話、エルフたちと会議
明智はまず会議をする前に自己紹介をすることにしたのであった。それは自分をある程度知ってもらった方が会議が進みやすいからじゃないかと考えたからである。
「自己紹介がまだでしたね。私は明智雅と言います。好きなことはスローライフと趣味していることをやることで嫌いなことは子供とか虐めるやつと非道と言えるほどの差別をする奴ぐらいです。得意なことは・・・顔芸ですかな。自信があるやつがあるのですが後で見せますね。」
「大将、どうでもいい情報まで言わないでください。ここは会議しているでござるよ。」
「土居さん、もちろんそんなことはわかっている。」(注意、全然わかっていません。)
それを聞いたエルフの族長はそれなら情報をあんまりまだ渡すのはあんまりよくはない。出来る限り相手に知られずに会議を有利に進めるはずなのに・・・相手は一体何を考えているのかしら。いくら恩人と言っても今はエルフをまとめる族長であり明智に対して厳重に警戒心をするのであった。
もちろんのこと明智は何も考えていなかった。族長は考えるだけ無駄であったが知る由もなかった。
そうして会議は開始されたのである。
「それでは会議を開始いたします。明智さん、まずこちらに対して質問とかはありますか。そこから話を始めたいと思いますので。」
「そうでしたか。ならエルフの文明力を教えていただけないでしょうか。どこまでできているかを知りたいのです。」
族長はこれを聞いた瞬間、相手はこちらの実力を知りたがっている。なら弱いとみればすぐに戦いを開始するかもしれない。それに娘からの話が正しいならあの強力な魔獣のキラーウルスを一人で絶滅寸前まで追い込んだ。ならこちらはいくら集まろうが下手にすると全滅させられる心配があった。そのために少しばかり多く見積もって言うのである。これもエルフを守るためにであった。
「そうですね、龍人たちの倍以上の文明力はあると自負しております。それに戦えるものも龍人たちよりも多くいます。」
「そうなんですか?リアーナから聞いたのですが戦えるもの少ないく文明力も龍人たちと大して変わらないと聞いたのですが?」
族長の心の中ではあの馬鹿娘ーー。相手に情報を与えているなんてこれではこちらが初めから不利じゃない。もしかしたら先ほどの質問はわざと言ってこちらの真意を確かめるためにやったのではないであろうか。なら、私たちは後手に回ったことになる。会議は一度後手に回ったらそう簡単に取り戻せるものではない。族長の内心はしまったと思うばかりであった。
ついにでに明智の方はやっぱりエルフはプライド高いから少しばかり多く言ってプライドとか保ちたかったのかな。なら先ほどの言葉は言わなかったほうが良かったかな。それだったらお詫びとしてこちらから提案することにしようかな。エルフにとって悪い話じゃないと思うしと考え族長に対して言うのである。
「すみません、それでしたらこちらが持っている技術を教えるのはどうでしょうか。こう見えていろいろと作れますのでエルフたちにとってもきっと便利なものが作れると思います。リアーナさんにはいろいろと教えてもらいましたしね。それでお礼をしたいのです。どうかお願いいたします。(注意、個人情報や面白い話など)」
そのころ土居の心境はと言うと。大将ーー。何、いきなり後手に回っているでござるか。あなたはあほでござるか。こんな簡単にこちらの技術を教えないでほしいでござる。やはり大将に任せたのが間違いでござった。
一方、族長の方はと言うと。これはチャンスなのかでも先ほど娘からいろいろと教えてもらったと確かに言っていた。あの馬鹿娘ならきっとエルフの大切な情報を話をしてしまったに違いない。そうなるとこちらはもう手札がない状態になる。むしろ恩をかけてこちらをうまくとり言えるつもりなのか。向こうは龍人と言ってもその大将と呼ばれているのは吸血鬼。こちらも配下に加えたいと思っていても不思議じゃない。そこまで考えている明智は奥が見えないほどの人物だ。(注意、リアーナは言っておりませんし配下にしたいとも明智は思っていません。そして明智はただの馬鹿です。)
そしてこの族長と土居には共通点があった。それは
(会議の流れは向こうに取られてしまった。)
物凄い勘違いである。そんなことに気が付くことはなかった。
そして実際に会議の流れを取っているのはこの会議の重要性をまったく理解していない明智であった。
そんな時である、リアーナが会議に参加してきたのであった。理由は二つありまずは族長の娘だからと明智のことがエルフの中では一番知っているからである。族長はなんとか少しでも有利に立とうとしたのであった。もちろんそんな目論見は土居は気がついていた。そんなことも気がついていないのはリアーナ本人と明智の二人だけであった。
そんなことも気がついていない族長は自分の娘に対して明智たちに聞こえないように言うのである。
「そう言えば、あなたはの使命であったことは達成されていない様子でしたけどそれは一体どうしてですか。もし、あなたがうまくいけばこんな会談も苦労せずにいたのに・・・この失敗はどんな風に償うつもりですか。」
「これに関しては誠にすみませんでした。ですが・・・私は・・・あなた、母に元気になってもらいたくて・・・・。」
「それでも自分の使命を忘れてそんなことをするとはそれでも族長の娘ですか。」
明智は遠くから見ていたがいい様子ではないことだけは馬鹿な明智でもわかったのである。明智はもしかしてほかにリアーナはやることがあったが自分に気を使ったせいで怒られているかもしれないと感じたのであった。そうして明智は
「族長、もう自分の娘に怒らないであげてください。私が悪かったのです。彼女を無理に止めて使命の邪魔をした私が悪かったのです。どうかこの通りにお願いいたします。」
明智は土下座をして族長に対して謝るのであった。その光景を見ていた土居は
大将はどこまでもあほなんですがこれで取り返しがつかないほどの後手に回ったのでござるよ。これで我が龍人も終わりでござる。誰でござるかこんなバカを大将に選んだのは・・・・・某でござるなと諦めた顔でそう思うのであった。
一方、族長の方はと言うと想像以上に考えていた。
この吸血鬼、ただのエルフに対してこんなにできるなんてどれだけ器が大きいのよ。普通の人ならエルフは嫌われな種族なのに・・・なおかつ娘は特に嫌われる部類に入るのに・・・だが、この吸血鬼は土下座にためらいもないようにしてきた。(注意、元々プライドなどかけらも持っていない吸血鬼ですから。)
ほかに考えられることは・・・・まさか、よく考えたら願いと言ったのはこれで二回目だ。そう、最初の願いは・・・技術を教えてもらうことすなわちエルフに恩を着させることだ。この吸血鬼は娘と私の事情を分析してうまく私の口から言わせようとしているのだ。しかもプライドが高いエルフにとってここまで土下座をしてなおかつ恩人を断ったらエルフとして許せることではない。それを断ったら一生笑いものにされることは言うまでもない。それに族長である以前に一人の親として二つ目のお願いが心に正直に響いたのである。
確かに親としてなら子の行動に感謝するべきはずなのに・・・族長であると理由で娘に怒ってしまった。この行動が恐らく許せるものではなかったのであろう。だからあの吸血鬼は娘を助けるついでに我々の活路を潰しにかかったのだ。エルフは対等する価値はないと思ったに違いない。正直に言って怒らすべきではなかった。想像以上にあの吸血鬼は娘に対して思いがあった。(注意、完全に下心ですがね。)
待てよ、どんな理由で娘が好きになったのかは知らないがうまく娘を使って行けばエルフは助かるかもしれない。リアーナ、こんな無力な母でごめんね。でも、私はエルフたちの未来を守る義務があるの。だからあなたは吸血鬼である明智とエルフとの懸け橋になってもらうわ。
こうして考えすぎの族長はどんどんとんでもないことを考え出すのであった。ついでに明智は普通にリアーナが母親に怒られているところを見たくなかっただけであった。理由は簡単でリアーナはかなりの割合で母親の話をするからかなり好きなんだなと感じており好きな人から怒られるのは何よりも嫌なことだからリアーナのためにもそしてそんな光景を見たくない自分のためにもそうしたのである。
物凄く勘違いをしている会議の行く先はどうなるかは未だ誰も知る由はなかった。その間にもエルフの里に戦の足跡が刻一刻迫っていることに誰も気がついていなかったのであった。
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