第6話、熊との死闘と土居との話し合い
満月の夜に戦いの音が聞こえていた。森奥で男と熊の群れが戦いを繰り広げていたのであった。数は一対百以上の戦いである。
「くそ、いくらなんでも数が多すぎだろうが。狼じゃないだから群れで行動をするなよ。時間がかかるじゃないか。」
そう愚痴を言いながらも確実にキラーウルスの数は減っていたのである。明智はうまくギリギリのところでかわしつつ反撃をしてできる限り体力を使わないようにしながら戦っていた。
敵は大きな群れであるために一頭、一頭に力を使ったら先にこちらの方が尽きてしまう。そうなったらやばいのでできる限り動かずに戦っていた。そして一気に倒すチャンスを狙いながら戦っていた。
そしてついにその時が来たのである。キラーウルスが十頭以上宇倒された辺りで群れのボスらしきものが咆哮をだし一斉に明智に向かって襲いだしたのであった。それを見た瞬間、明智はコウモリの翼を広げ空に舞ったのであった。そうして明智が上空で巨大な魔法を唱えたのである。
「さてさて、今宵の最後の宴は・・・ヘルズアグニスでいかがでしょうか。」
魔法を放った大地は地獄の炎の如くになりキラーウルスたちはただもがき苦しみながら皆焼き殺されたのである。残ったのはその場に地獄の炎があった形跡のみであった。
「今宵は本当に疲れたな。でもこれで平和な日常を取り戻せたことだしまあ、いいか。それと助けてくれたお礼に作業を手伝ってくれるかもしれないし結果的によかったのかもしれないかな。」
一人戦いが終わった場所でそうつぶやくのであった。
翌日、このことを竜人たちに話したのであった。昨夜の戦いのことそしてそれでキラーウルスは壊滅状態に追い込むことができたことを伝えたら土居たちに感謝されたのである。
明智はお礼なら手伝ってほしいことがありますと言ったがその前に土居が意外な言葉を話すのであった。
「それにしても明智殿の家もそうだが中も見たことがない者だらけでござったな。まあ、某は前世と言うべき記憶があるからまだ多少はわかるが特に物を冷やして保存するものは聞いたこともないでござるよ。」
「・・・はい?・・・ちょっと待って君たちの文明レベルはどれぐらいなのおしえてくれないであろうか。」
明智はそれを聞いたが頭を痛めるほどの文明の低さであった。それもそのはずである。古代レベルとは夢にも思っていなかったからであったためであった。よく異世界は中世レベルで書かれることが多いがこの世界はまだ中世にもいっていない状態であった。
そして明智は一つの決意をするのであった。
「土居さん・・・作業を手伝ってもらおうとしましたがその前にしていただきたいことができました。」
土居はそれは何でしょうかと疑問に思いながら明智に問いただした。難しいことであったら困るなと思って考えていたら帰ってきた言葉は
「まず、私がいろんな技術を教えるから覚えてください。それとこの辺で街を作っていただけませんか。今よりもいい家の作り方を教えますから・・・一番いいたいことは果物以外の食べ物を食べろ。野菜を食べろ、魚を食べろ・・・そしてお米を食べろよ。(どこかの太陽の人並の熱意で)」
こうして明智はのんびりな生活に戻ることはできずにいろんな意味で忙しい日常が始まることになってしまうのであった。明智は早く技術を教えてスローライフに戻りたいなと考えていたが残念なことにこれがきっかけで後に勢力を立ち上げることになってしまうことにはこの時の明智に知る由もなかったのである。
そして今までの行動を見ていた邪神さんからの一言
「ついに勢力になってきたよ。この勢いで神々たちも苦しめていってくれよ、明智。褒美もたくさん出すからさ。」
どこかで闇の一柱だけはこの状況を楽しんでいたのであった。
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