第4話
これでまた一歩幼女の無念を晴らすことに近付いた。オカヤマは思った。
後日。オカヤマは城の周りの警備を始めた。同じく城の周りの警備をしているタドコロと仲良くなった。タドコロは左手を怪我していた。「その怪我の理由はなに?」
「勇者にやられた。勇者が車で外出するときに勇者が視界に入った警備係は頭を下げなきゃならない。俺も頭を下げたわけだが下げた頭の角度が浅いって理由で左手をやられた」
「それはひどい。ますますどうにかしないといけないな」
「クーデターを起こすつもりか。やめとけ。勇者は18時間はスーツアーマーを着ていると言われている。アーマーは大砲が当たっても傷がつかない」
「スーツアーマーのことは知ってる。有名だ。だがよく知らない。興味本意だかどうしたら傷がつく? それとクーデターはしない。というかどうしたら勇者と交流が持てる」
「俺たち警備係じゃ駄目。会話する機会もない」
「リーダーも勇者と話したことないのか」
「ない」
「勇者の趣味とかは知らないか?」
「甘い物好き。それと他人を攻撃するのも好きかもな」
スーツアーマーのことを知ろうとして城の中に入ろうとした。城は中と外が完全に遮断された要塞だった。入ろうとすれば警備の他人にも見つかることが分かった。
ある日の午後。昼過ぎにオカヤマは城の正門玄関付近の警備をしていた。正門が開き車が出てきた。警備をしてる者たちが頭を下げる。車が横を通りすぎる直前に彼も頭を下げ運転席の窓ガラスに頭を当てた。車が止まりドアが開き手招きされた。唾を飲み込んで車に乗り込んだ。
スーツアーマーを着た勇者が運転を再開する。「君。名前は何て言うんだ」
「オカヤマです」
「オカヤマ。なにか食べたいものはあるか?」
「・・・・・・ソフトクリーム」
勇者は有名なソフトクリーム屋に行き買ってオカヤマに渡し食べさせた。「うまいだろ」
「美味しいです」
「それが君の最後の晩餐だ」
オカヤマは笑ったあと死んだ幼女を思い出した。「のぞむところです」
夕方までオカヤマと勇者は遊び続けて城に帰った。オカヤマは勇者に真っ白な部屋へ連れられ手錠をかけられた。
勇者はムチを持つ。「今から君に罰を与える」
「あ。そう」目を叩かれた。オカヤマはオシッコを漏らした。幼女のことを思い出す。「痛くねえ! こんなもんか!」ムチで叩かれ続けた。気を失い目が覚めると真っ白な部屋で倒れていた。手錠は外されている。真っ白な地面を見てニヤリと笑う。「城に入れた」立ち上がる。「待ってろ。幼女」
魔王が隠居したあと勇者討伐に奮起する話(改) @Kanoooo
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