4話Battle/説明と状況整理だな
★新規の情報が開示されました。
◯ご契約ありがとうございます。貴女は魔法少女になりました。契約の獣に従って魔法を行使して、彼の手助けをし[浄化]を行って下さい。変身する場合は[変身!]と言って下さい。変身ポーズはお任せ致します。変身を解除したい場合は[変身解除]と言って下さい。なお、魔力の使いすぎ、過剰なダメージ、気絶と[変身解除]と発しなくとも解除される場合もございますのでご留意下さい。
移動中俺の思いつきでアンナからテレパシーを使って開示された情報の1つを送ってもらっていた。
やはり睨んでいた通り情報の一部が違う。そして、どうやらそれを共有するかどうかは本人達に委ねられているらしい。
それより、無理矢理に強制的に契約しておいて、"ご契約ありがとうございます"。とは何なのだ。悪徳業者の手先かなんかか俺は。
1時間ほど進んだ先で発見した古城の小汚い部屋で俺は落胆していた。
彼女は古城を見つけた時に喜んでいた。が、中に入って軽く探索してみると、焚き火の後や腐っているが食料の食べ残しなど誰かが住み着いている形跡が幾つか見受けられたのだ。
故に俺は別の場所に移動しよう。と提案したが、せっかく見つけたのに。と却下されてしまった。
確かに内部を見て回っても人の気配は一切なく、形跡も立ち去った後とも考えられるため俺の思い過ごしだったと言えなくもない。
それに此処を離れて移動したとしても、簡単に古城が見つかる。とは到底思えず渋々ではあったが了承し此処で一夜を過ごす事に決めたのだった。
それとは別にこの聞いたこの世界の事を整理する時間も欲しかった。
アンナは現在食料を採りに行ってくると、慣れるための練習がてら魔法少女に変身し出て行っている。
当初はついていこうかとも考えたが、1人で聞いた話を頭の中で
まずこの世界には魔法が"ほとんど"存在していない。
扱える者も極一部だが存在し魔力という概念も存在するが、ほとんどの者が生涯で目の当たりにする事は少ない。そのため、一部ではあるが転生して初めての町のような場所も存在し、魔法を扱う者を一方的に弾圧火炙りの刑に処す。
現実で言えば魔女狩りのようなものである。
次に魔物についてである。
結果だけ言うと存在"しない"。つまり現在の俺の姿はこの世界では非常に珍しい存在と言えるだろう。
魔物の代わりかどうかは分からないが、
種類自体はそう多くなく、大抵は温厚で害は少ないそうだが栄養分を欲している時や特定条件下でのみ非常に危険だと言われた。
今度気をつけなければならない存在の1つだろう。
俺はパタパタと飛び、部屋を出ると見落としがないか再び見回りを始めた。
次にこの世界の亜人種の種類である。大まかにはヒューマン。
そして、ハーフウルフは総称であり、猫やリス、兎と言った様々なケモミミを持つ者を含んで居るらしい。
先ほどの町ではほぼただの人間しか居なかったためか、本当に多種多様なケモミミを持つ人々が居るかは半信半疑である。
ふと立ち寄った1階の部屋の床に違和感を覚え、慎重に調べていく。
一部の床の石畳がずれ、周囲と形状が違うモノが混ざっていたのだ。
「こういうのって、大抵地下室とか……ビンゴ」
細長い石を押すと、半回転し扉の取っ手が顔を出す。
だが、今の俺の体じゃコレを開く事は叶わなかった。
『アンナー。聞こえてるかー?』
『はい、なんでしょう?』
そして、此処で一番重要となるのが、アンナの種族だ。
適当に種族なんぞどうでもよいと、選んでしまったがなんと彼女はドワーフであった。
火炙りの刑からの脱出時に薄々感づいてはいたのだが、ちゃんと聞くまでは魔法少女だから出来た。と言う理由である可能性があり確信を持つ事ができないでいたのだ。
俺にとっては朗報である。
『地下室の扉みたいなの見つけたんだが、後で開けてくれないかー? 俺じゃ力が足りなくて開けれん』
と、通信を飛ばしながらもう1度ダメ元で取っ手は引っ張ってみるがびくともしなかった。
『はーい。ちょうど木苺とキノコの採集が終わりましたので、そちらに今から戻りますー』
『了解。気をつけてな』
はーい。と返事が返って来たのを確認すると、テレパシーをきった。
ドワーフである彼女であるが、魔法少女の能力はというと。
★新規の情報が開示されました。
◯1人目の魔法少女のお知らせです。彼女は中、遠距戦を主に強化しておりますので、連携し戦いを有利に進めてください。
という情報と共に、脱出時に使用した魔法を見る限りでは接近戦主体という事は明らかだった。
そのため、単純に考えると能力的に有り余る筋力がさほど意味を成さないと取れる。が、言い換えれば近距離でも対応可能であり万能。とも取れる。
この辺りは彼女次第ではあるが、多少は期待はできるかもしれない。
何にしても、あって損ではないだろう。実際こうして力仕事を気兼ねなく頼む事が出来る。
程なくしてアンナが食べ物を持って戻ってきた。
「只今戻りました~」
「お帰り。早速で悪いんだが」
俺は地下へと続くであろう扉を指差す。
はーい。と返事をし、食べ物を置くを彼女は取っ手を掴み軽々と重い扉を開いた。
「さんきゅ。ついでにコレに火つけてくれ」
小さめの松明を差し出し、例の小さい炎を出す魔法を使い火をつけてもらう。
便利だ、この子。すごく便利だ。一家に1人アンナちゃん。
そう思っていると、彼女が口を開いた。
「私が先に行った方がいいですか?」
「いや、俺だけでいく。危なそうだったらテレパシーで呼ぶから準備だけはしておいてくれ」
そう言い残し、俺は古城の地下へと向かった。
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