シルビス「婆ちゃんを殺せ」

「土地とあなたの間にお婆さんがいるだけですよね?」


トビーは頷く。


「すぐに署名する方法はあります」


方法?


「あなたのお婆さんは病院で(機械に繋がれていて生きている状態)ですよね?」


「ああ」


「でしたら、いつ不運な事が起きても分からない」


「どういう意味だ?」


「いつ亡くなっても不思議ではない」


「言っている意味がわからない」


シルビスの眼の奥が光った。目が窪んでいて、影が眼の下にできていた。ミステリアスな男が獲物を捕らえた蛇に見えた。


「シルビス、俺に婆ちゃんを殺せというのか?」


シルビスはしばらく何も言わなかった。


「シモンのお母様が亡くなり、トビーさんもいずれ亡くなり、お祖母様も亡くなると、全てがシモンの上に乗っかってきます。今出来ることをやるのが大事じゃないのですか?」


「ちょ、ちょっと待ってくれ、そんなことはできない」

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