戦場のトリックスターtowardロクデナシシスター

【ヒーロー】副業傭兵エシュ

「トリックスター、又は運命の交叉路に立つ男」



・外見

 身長190センチ。大柄で屈強な肉体の持ち主。普段は動物の頭蓋で顔を隠している。黒いくせっ毛に傷だらけの浅黒い肌。骨の下は上半分が火傷跡に覆われた彫りの深い顔。左手より右手の方が大きい。


・ベル

 右手の甲。これ見よがしに括り紐で縛っている。相手の攻撃を誘導する。


・職業

 傭兵(副業)


・目的

 社長戦争に巻き込まれた妹分の回収


・性格

 刺激を好む。それでいて用心深く、行動は慎重。敵意に非常に敏感。自称傭兵崩れだが、副業ということを強調し、戦士であることに誇りを持っている。本業は何をしているのか誰も知らない。貧しい国の出身らしく、傭兵業は家族への路銀を稼ぐため。

 何故か動物や虫の女の子にやたらモテる。



・能力

「仙術」

 大自然で育った彼は、自然エネルギーを駆使して様々な力を発する。傷の治療や簡易な解毒、果てには風水を利用した周辺地域の索敵まで。圧倒的な知識と経験が魔法のようなことも成し遂げる。彼からしてみれば、単なる技術の一種でしかない。

 また、戦士の心得としてどんな戦況にも適応できる柔軟さも持っている。様々な武器を扱えるが、達人には及ばない。人外染みた怪力を持つ。

 どの技術にもちゃんと理屈と理論があるのだが、説明が面倒なので仙術と一括りにしている。


「不死身」

 虐げられた歴史は死者の魂を孕む。死体に幾千もの魂を詰め込まれ、『神懸かり』によって一個の生物兵器として統合された彼は、数多の魂の数だけ完全復活する。数えきれない命のストックは、実質不死身。もちろんストックが尽きれば死は避けられない。損傷が酷いと再生に時間がかかる。

 もし、不死身にかまけて適当な戦いをするような半端者であれば、その脅威は大分下がるかもしれない。が、戦士の矜持を持つエシュの場合、一回の殺害ですら困難を極める。


「運命神の権能」 

 運命神としての権能を行使する。原理不明の命を蝕む呪術を放ち、死体を屍兵として使役する。強靭な神格を持つ彼が使えばその効力は奇跡に準ずるが、滅多に使いたがらない。



・装備

「運命のタリスマン」

 その右手は森の賢者たる狒々の骨である。効果は因果律への干渉。といっても妹分と比べると一パーセント以下の出力しか発揮できない。現象としては、拮抗した実力・全力を尽くした結果の五分五分の鍔迫り合いを七対三くらいの有利さに持ち込めるくらい。

 だが、強者同士の死闘ではこれが致命的な差となる。


「レグパ」

 状況に応じて武器を持ち変える彼の、唯一のもの。魂の半身たる半月刀シャムニール。普段は惑星にほんの少し干渉できる運命神の権能で地中に隠している。呼びかけ一つで地中から呼び出せるが、真名がバレる。

 素性を隠している彼がこれを用いるのは、全てをかなぐり捨てた本気の時だけ。




・経緯


 二日目、朝。

 このまま社長戦争の参加者として潜伏しているつもりだったが、事情が変わった。彼が屍兵として戦場に送り込んでいた彼女の死亡。その最期の光景が彼を動かした。

 副業傭兵エシュ。彼は今回傭兵業としてではなく、巻き込まれた妹分をしに来たのだ。


「ユージョー=メニーマネー、道化か……」


 

 その力があの道化にはあった。看過出来ない。探している妹分や、彼自身すらその毒牙にかかる可能性があった。


(接触は避けたい)


 幸運なことに、彼はあの道化と同陣営にいた。一番潜り込みやすいからという単純な理由ではあったが。


(待っている余裕はない、か)


 このまま三日目まで潜伏を続け、戦争終了付近にこっそり回収する予定だった。しかし、事情が変わった。このままだと妹分が始末される可能性もある。

 屍兵たる彼女がやられて監視の目は失われた。最後の状況を頼りに独力で見つけ出すしかない。

 だが、その前に。


「どうにかしなければ、な」

「だあああああ――――!!!!」


 背後に聳え立つ巨大な影を。

 半日以上も追い回されている敵を、まずは倒さなければならない。副業傭兵エシュ。彼が盤面に上がった。これは戦争なのだ。

 ならば、戦って勝ち取るしか道は無い。 

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